街場の天皇論

個数:
電子版価格
¥1,650
  • 電書あり

街場の天皇論

  • 提携先に3冊在庫がございます。(2024年06月04日 20時18分現在)
    通常、5~7日程度で出荷されます。
    ※納期遅延や、在庫切れで解約させていただく場合もございます。
    ※1回のご注文は10冊までとなります
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷予定日】
    通常、5~7日程度で出荷されます。

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 247p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784492223789
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0036

出版社内容情報

ぼくはいかにして天皇主義者になったのか。
立憲デモクラシーとの共生を考える待望のウチダ流天皇論。


【ウチダ流「天皇論」の見立て】
◆天皇の「象徴的行為」とは死者たち、傷ついた人たちと「共苦すること」である。
◆「今」の天皇制システムの存在は政権の暴走を抑止し、国民を統合する貴重な機能を果たしている。
◆国家には、宗教や文化を歴史的に継承する超越的で霊的な「中心」がある。日本の場合、それは天皇である。
◆安倍首相が背負っている死者は祖父・岸信介など選択された血縁者のみだが、今上陛下はすべての死者を背負っている。
◆日本のリベラル・左派勢力は未来=生者を重視するが、過去=死者を軽視するがゆえに負け続けている。
◆日本は「天皇制」と「立憲デモクラシー」という対立する二つの統治原理が拮抗しているがゆえに、「一枚岩」のロシアや中国、二大政党によって頻繁に政権交代する米仏のような政体にくらべて補正・復元力が強い。


【本文より】
私は他のことはともかく、「日本的情況を見くびらない」ということについては一度も気を緩めたことがない。
合気道と能楽を稽古し、聖地を巡歴し、禊行を修し、道場を建て、祭礼に参加した。
それが家族制度であれ、地縁集団であれ、宗教儀礼であれ、私は一度たりともそれを侮ったことも、そこから離脱し得たと思ったこともない。
それは私が「日本的情況にふたたび足をすくわれること」を極度に恐れていたからである。


【本書の概要】
2016年の「おことば」から生前退位特例法案までの動きや、これまでの今上天皇について「死者」をキーワードとしてウチダ流に解釈。

今上天皇による「象徴的行為」を、死者たち、傷ついた人たちのかたわらにあること、つまり「共苦すること(コンパッション)」であると定義。

安倍首相が背負っている死者は祖父・岸信介など選択された血縁者のみだが、今上陛下はすべての死者を背負っていると指摘する(「民の原像」と「死者の国」)。

さらに日本のリベラル・左派勢力は生者=現在・未来を重視するが、過去=死者を軽視するがゆえに負け続けていると喝破。

同時に日本は「天皇制」と「立憲デモクラシー」という対立する二つの統治原理が拮抗しているがゆえに、「一枚岩」のロシアや中国、二大政党によって頻繁に政権交代する米仏のような政体にくらべて補正・復元力が強いとも論じる。

天皇主義者・内田樹による待望の天皇論。


内容説明

ぼくはいかにして天皇主義者になったのか。立憲デモクラシーとの共生を考える待望のウチダ流天皇論。

目次

1 死者を背負った共苦の「象徴」(私が天皇主義者になったわけ;改憲のハードルは天皇と米国だ;天皇の「おことば」について ほか)
2 憲法と民主主義と愛国心(「大衆」の変遷;山本七平『日本人と中国人』の没解説;陸軍というキャリアパスについて ほか)
3 物語性と身体性(忠臣蔵のドラマツルギー;世阿弥の身体論;武道の必修化は必要なのか? ほか)
特別篇 海民と天皇

著者等紹介

内田樹[ウチダタツル]
1950年生まれ。思想家、武道家、神戸女学院大学名誉教授、凱風館館長。著書に『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書、第6回小林秀雄賞受賞)、『日本辺境論』(新潮新書、新書大賞2010受賞)など多数。2011年4月に多ジャンルにおける活躍を評価され、第3回伊丹十三賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

34
内田先生の天皇論は、残念ながらまとまりに欠けて、読みづらい。2007年から17年までという長いスパンの論考を1冊にまとめてしまったことが要因だろう。同じ人間も10年も経てば、思考法や文章の書き方が変化する。内田先生もそうだ。天皇は霊的権力であり、世俗権力との二重構造が長らく統治システムとして機能した。そして私たちは立憲民主主義と天皇制をすり合わせる深い議論をしないままでここまで来ている、との指摘は的を射ていると思う。2021/01/29

Twakiz

34
定期的に読みたくなるウチダ先生の論考本.自分の頭では半分くらいしか理解できないが「こんなことを考える人がいるのだ」と驚嘆できるのがウチダ本.国民国家と株式会社(いまの安倍政権は国家を株式会社と勘違いしていないか?という部分)の寿命の話や源平合戦を「海の民と陸の民が野生の力をいかに人間の世界に発現させるかを競った争い」をとらえる視点など,やはりへぇぇ・・と恐れ入る.「忠臣蔵」の中心にあるのは「全権を握っている者が何を考えているかわからないこと」ふむ.読みたくなるのを禁じ得ない.2018/03/29

ちさと

33
内田先生って変わってますよね。現政権=右に対しては批判的だけど、天皇制には賛成。与党=右とは言えないとしても普通の立場ではない。本書は内田先生があちこちで書かれた天皇論を寄せ集めたもので、話は飛び繰り返しも多く体系的にまとまっているとは言いがたい1冊でした。天皇制と立憲民主制という相容れざるものが拮抗しつつ共生することで、国民も知恵を絞って活力を生み出すと書かれていました。さて、所得が伸びない現役世代がメジャーになった時、自分達の生活も安定しない状況の国民が天皇に対して興味を持てるか、どうなんでしょうね。2019/06/08

Tenouji

24
最後の海の民と陸の民のせめぎ合いという発想は面白い!2018/02/02

九曜紋

21
著者が様々な場で天皇制について書いた論考をまとめたもの。直接的に天皇論と言えるのは、2016年8月の今上陛下の「おことば」についてのいくつかの文章。著者の立ち位置は言うまでもなく左派リベラルであり、もともとは天皇制に深い関心を抱いていなかったようだ。しかし、今上陛下の鎮魂と慰藉に徹する姿勢に感銘を受けたらしい。鎮魂とは先の戦争で斃れた者を弔うこと、慰藉とは災害に遭った人々を慰めること。平成の30年間、今上陛下はまさにそれに身を捧げてこられた。平成最後の年にそれに思いを致すのは必要な営為だろう。2018/06/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12309454
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。