『砂の器』と『日本沈没』70年代日本の超大作映画

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480873439
  • NDC分類 778.21
  • Cコード C0074

内容説明

大胆なストーリー、美しいロケ風景、あっと驚く大特撮…。70年代的創造力、その魅力と秘密。

目次

はじめに 一九七〇年代日本の超大作映画とは
第1章 泣かせと旅情の文芸大作『砂の器』
第2章 社会派という名のメロドラマ大作『戦争と人間』『華麗なる一族』
第3章 「国民的」スケールで構えるパニック大作『日本沈没』『八甲田山』
第4章 語りで見せきる啓蒙大作『人間革命』『ノストラダムスの大予言』
第5章 アイディアで疾走するサスペンス大作『新幹線大爆破』
第6章 ビジュアルで主張するミステリー大作『犬神家の一族』
休憩 異色の大作たち
第7章 伝統と切り結ぶ時代劇大作『柳生一族の陰謀』
第8章 メディアミックスで装う角川大作『人間の証明』
第9章 大胆で繊細な作家的大作『太陽を盗んだ男』

著者等紹介

樋口尚文[ヒグチナオフミ]
映画批評家。1962年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。著書に「黒沢明の映画術」(筑摩書房)、「大島渚のすべて」(キネマ旬報社)など。キネマ旬報ベスト・テン、毎日映画コンクール、日本映画プロフェッショナル大賞、日本民間放送連盟賞などの審査員をつとめる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒデキ

30
1970年代という自分たちが生きていた時代の大作と言われる邦画を紹介してくれています。 樋口さんは、評論家の目線でのコメントも入れていますが、 当時、中高生だった自分にとっては、 月に一回か2回の映画鑑賞は、つい、各社の大作に目が行ってしまっていました。 自分たちの青春時代をなぞってくれる一冊でした。 久しぶりに見たくなった作品が何本かできました2021/04/13

桑畑みの吉

5
1970年代の日本映画界は不況のどん底にあった。本書はそんな映画会社が生き残りをかけて破格の予算(邦画として)を投じて製作した映画に特化した評論集となっている。対象作品は『戦争と人間』『砂の器』『日本沈没』『犬神家の一族』『人間革命』『新幹線大爆破』『柳生一族の陰謀』『太陽を盗んだ男』そして一連の角川映画。これらの作品を撮った大作映画ご用達監督論にもなっている点が興味深い。ちょっと小品の『ブルークリスマス』『夜叉ヶ池』等もついでに紹介。レンタルや配信で見れる作品が多いのでこの機会にもう一度見直したい。 2022/05/15

inokori

5
世代のせいもあるだろうが,本書に取り上げられた大作を観て大人になってきたこともあり,頭ごなしに「駄作が死屍累々」のようなことを言われたんでは立つ瀬がない,などと思っていたが,著者のこれら作品群への評価は予想していた酷評ではなくむしろ「憎みきれないろくでなし」といったところか.愛がある.その分,フォローがやや強弁気味になるのもまたいい味わい.角川作品の一部は原作のプロモーションとして成功している,との評価には大きく首肯.2010/01/04

shushu

3
著者と同世代なので(見ている映画はほとんどないのですが)、読み手を煽るような文章が取り上げている70年代の所謂「大作映画」とマッチしていて楽しかったです。映画の細かいところまで文章で再現しようとして、凄いな、と感心しました。リアルタイムでこれらの映画を見ているようで、お小遣いが多くてうらやましい、とも思ったり。洋画志向が強く、都心まで行く交通費は結構かかり、当時日本映画まで見ているお金はなかった身としては。2017/11/23

まんだよつお

2
著者には映画への「愛」が根本的に欠如している。千の欠点をあげつらうことよりも、たった一つのいいところを紹介して欲しい。かつて淀川長治さんは、どんな映画でもいいところを見つけて誉めていましたね。もうこの人の本は読みたくありません。2010/03/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/476668
  • ご注意事項