内容説明
本書は底本としてJacob Burckhardt,Gesamtausgabe(Bd.1‐14),Deutsche Verlags‐Anstalt,Stuttgart,Berlin und Leipzig 1929‐1934(全集版)の第十四巻『Vortr¨age』(講演集)を使用し、さらにJacob Burckhardt,Kulturgeschichtliche Vortr¨age,Alfred Kr¨oner Verlag,Stuttgart 1959(クレーナー版)を参照した。本訳は全集版に収められている二十六篇の講演のうちから十七篇を選び、これにクレーナー版の講演集の中からさらに一篇を加え、十八篇として訳出したものである。
目次
後期ギリシア人の料理法について
ギリシア人の学術的功績について―大学記念祭における講演
古代人の奉納品
ピュタゴラス(真実と創作)
古代の祝祭行列について
攻城者デメトリオス
アルマニャック派傭兵遠征時代(一四四四年)におけるフランスの状況について―教授資格取得講義
グレゴリウス一世(大教皇)統治下のローマの状態
シラー生誕百年記念講演
ホメロスの「パイアケス人の国」
ネーデルラントの風俗画について
レンブラント
美術コレクションについて
物語画について
近代肖像画の始まり
絵画と新約聖書
アンソニー・ヴァン・ダイク
芸術作品におけるアレゴリー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
doji
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慣れない分野のせいかなかなか読みにくかったけれど、風俗画をはじめ絵画についての語り口がかなり生き生きしていてそこは楽しく読めた。2015/08/06
墨桃
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19世紀後半の講演集。なかなか読むのに時間がかかった。色々おもしろかったのだけど、例えばネーデルランドの風俗画の講義で、フェルメールに言及してるのは一箇所でそれもおそらく?の留保付きだったりするのがかえって歴史を感じてよい(フェルメールの再評価は19世紀後半からとのこと)。それにしてもブルクハルト氏、ルーベンス好きすぎだろう。ルーベンス大好きルーベンス最高、みたいな感じなのだけど、印象派登場以前のルーベンスの評価はこれほどに高かったのか。疲労困憊したネロには刺激が強すぎたのかな。2022/03/19