内容説明
「構造」の観点から20世紀の数学全体を基礎づけ直したフランスの若き数学者集団ブルバキ。彼らの壮大な試みはユークリッドの『原論』を模して『数学原論』40余冊として結晶した。最新の各理論の指導的理念やその形成展開の過程はどのようなものであったのか。膨大な原典史料を駆使して、理論の背後にある思考様式や哲学を含め考察したものが、「歴史覚えがき」として著された本書である。「構造」を「歴史」から逆照射する、数学者自身によるユニークな数学史。数学専攻の学生・研究者はもちろん、「構造主義」哲学に関心ある読者には必読。文庫版は3篇を増補した決定版。上巻は「一様空間」まで。
目次
数学の基礎、論理、集合論
記数法、組合せ論
代数学の進展
線型および複線型代数学
多項式と可換体
整除性、順序体
可換代数学、代数的整数論
非可換代数学
2次形式、初等幾何学
位相空間
一様空間
著者等紹介
村田全[ムラタタモツ]
1924年、神戸市生まれ。北海道大学理学部数学科卒業。立教大学名誉教授
清水達雄[シミズタツオ]
1928年、東京生まれ。東京大学理学部数学科卒業。元清水建設研究所研究員
杉浦光夫[スギウラミツオ]
1928年、愛知県生まれ。東京大学理学部数学科卒業。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
兎乃
4
故岡潔博士が"数学の冬の時代"と批判したブルバキの全盛時代。ブルバキのメンバーが個人的に書いた本に関しては名著/良書が多く、メンバーが集まると醜悪なる不思議。ブルバキ第3世代にいたPierre Cartier博士のインタビュー記事→ http://ega-math.narod.ru/Bbaki/Cartier.htm 2012/10/03
kinaba
2
今当たり前のように使っている方法(数学的とすら思わず本当に当たり前の人間の思考方式と思ってしまっている概念)がこうやって確立されてきたのだなあ、と過去の偉人をあがめずにはいられない。と同時に、基礎論の章以外は満足に理解できた気がしないので自分の数学的素養がこれを読むには足りていない気もしてきた…2009/06/14
オタクです。oneofotakus
0
ラッセルなどの論理学関連の著作を数冊読んだのち、本著を図書館から借り出してみたのだが、全く理解が及ばなかった。文系学生である私にはついていけない。2017/09/15
kozima
0
思いのほか難しい本だった。でも面白い本。序にはっきり述べられているように,数学者たちにまつわる世間話的なエピソードを語る本ではなく,今ある数学の世界が作られてきた歴史を解説している。全部理解するには学部卒程度の知識が要りそうだけど,数学に関わる人,特に数学をメタな立場から見たい人なら,読めるところだけでも読む価値はあると思う。2010/10/16
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