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ちくま学芸文庫
有閑階級の理論―制度の進化に関する経済学的研究

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  • サイズ 文庫判/ページ数 460p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480084163
  • NDC分類 361.83
  • Cコード C0133

内容説明

制度の進化論的プロセスを記述して、ガルブレイスなどに大きな影響を及ぼし、現代の経済人類学・消費社会論的思考の先駆者業績ともなった、ヴェブレンの主著の画期的新訳。

目次

第1章 序説
第2章 金銭的な競争心
第3章 顕示的閑暇
第4章 顕示的消費
第5章 生活様式の金銭的な標準
第6章 好みの金銭的な規準
第7章 金銭的な文化の表現としての衣装
第8章 産業からの免除と保守主義
第9章 古代的特質の保存
第10章 現代における武勇の存続
第11章 幸運を信じる心
第12章 信心深い儀式
第13章 競争心にもとづかない関心の存続
第14章 金銭的な文化の表現としての高等教育

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

119
むかしは経済学説史でならって制度学派ということで、「顕示的消費」という言葉を理解したものでした。岩波文庫版を数回読みましたが、こちらの方が読みやすい気がしました。いま読んでみると経済というよりも社会学の分野に入れていた方がいい感じがします。経済学的な視点というものもありますが、アメリカ消費社会の分析ということで経営学で勉強した、ヴァンス・パッカードを思い出しました。2017/03/12

zirou1984

47
私たちが抱く欲望というのは実際の所、他者の欲望に他ならない。生理的欲求という例外を除けばそこに残るのは「欲しいものが、欲しい」という根拠なき欲望であり、この欲望の永久機関という潤滑油こそが資本主義社会を支えてきた原動力なのだ。有閑階級=持てる者たちは消費することによって互いに顕示欲を競い、そして妬み合い、彼等のスタイルは下流にも広まってやがて社会全体の基調となる。ヴェブレンはこの様な資本主義社会における思考習慣を百年前に喝破しており、その理論は今もなお古びてない。難解ではあるが現代にこそ読まれるべき名著。2013/08/19

わたなべ

12
経済学の古典的名著。マーケティングにおける「ヴェブレン効果」の元になった本。顕示的消費(いわゆる見せびらかし)が古代の略奪文化や競争心に基づくものであり、さらに時代とともに顕示的消費の水準が際限なく上昇することを指摘している。機械化された近代では、不完全性や無意味性に美的価値を感じるという指摘もとても腑に落ちた。本書は19世紀末のアメリカの消費社会を揶揄した一面もあるが、現代では消費社会より(消費主義も未だに根強いが)SNSなどに当てはまる現象だと感じた。非常に難解だが、一読の価値はある。2019/05/18

Saiid al-Halawi

10
ガルブレイスか誰かの言及で知ったやつ。女性のドレスやハイヒールは生産活動に不向きな機能面の制約があるからこそ価値を生んでいる。ポトラッチのメンタリティに関する説明など。ポリティカリーコレクト的に今言ったらヒンシュクものの記述も多いけど大枠ものすごく現代的な内容。2014/12/29

7
難解な文章ではあるが、7章まで我慢して読み進めれば8章以降さらに面白くなってくる。前半は分析概念の準備、後半はそれを使用した分析である。古代社会における野蛮性の特質が、現代社会においてどの階級に最も保存されているのか?それは有閑階級と無頼漢階級においてだとヴェブレンは言う。その反対である平和的で産業的な特質は中産階級にある。この本全体から得られる帰結は、現代社会における中産階級の重要性である。この本から100年後の現在、世界で中産階級は没落しつつある。これは新たなる野蛮性への退行への序曲なのかも知れない。2013/08/30

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