感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Francis
8
15年ぶりぐらいに再読。当時まだ記憶に新しかった雑誌マルコポーロ廃刊事件や小林よりのりの反ユダヤ的言動をはじめとして戦後日本にユダヤ陰謀本を広めた宇野正美や戦前のユダヤ陰謀説、そしてナチスの悲劇をもたらした欧米の反ユダヤ主義と極右、「反ユダヤ」をキーワードにした極右と極左の結びつき、など現代の反ユダヤ主義の動向が良く分かる。グローバリゼーションによるアイデンティティの揺らぎが「ユダヤ人」などのスケープゴートを求めてしまうのだろう。2016/01/08
NyanNyanShinji
1
いきなり例え話しで恐縮だけど、聞き手の理解の度合いに構いなしに、一気呵成に話をし、話終わった後に鼻を膨らませてドヤ顔をしている。そんな本だった。いや、冒頭の小林よしのり論批判や、杉原千畝の美談に隠れがちな日本人が如何にユダヤ人と関わりを持とうとしたかの戦前戦中の話まではついて行けた。しかし二章以降の「マルコポーロ事件」からどんどん新しいテクニカルタームと新しい登場人部名がなんのお構いもなく開陳されてゆく。読書のペースが上がってから時折「ハズレの本」と出会うが,この本ほど読んだ後焼け野原のような気分は珍しい2024/01/24
レコバ
0
新古書店で偶々サイン本(恐らく献本)を手に入れてしまい少し戸惑いながら読み始めた。 そんなバカバカしい話まで反論する必要あるのかと思うような説ばかりを、下手くそな訳文のような論旨の取りづらい文章で反論するもの。 現時点でのコンテクストを踏まえれば、一笑に付すべき奇説まで含め、出版という形で参考文献に当たり、一つ一つ否定する。デマと戦うのは大変だな。2013/11/03
留々家
0
「ナチスがUFOを作っていた」説は知っていたが、反ユダヤ主義に関係しているとは知らなかった。難しいところは流し読みにしたので再読したい。2012/11/07
aki
0
反ユダヤ本、ユダヤ-日本同祖論など、書店に並ぶユダヤ本を見ると、どうして日本人は、こんなにユダヤ人が「好き」なのだろうと思っていたが、「対抗関係に依存する憎悪は、隠蔽された羨望と賞賛を糧としているが故に、状況さえ許せば、容易に融合に席を譲るのである」と。つまり「世界を支配しているユダヤ人」に対する嫉妬や羨望が根底にあるがゆえに、ユダヤ人になりたいと思ったり(同祖論)、ユダヤ人をたたいたり(ユダヤ陰謀本)しているわけだ。なかなか微妙な人間心理ではある。ユダヤ陰謀本の「系譜」をていねいに紹介した本。2010/12/14