内容説明
怪奇探偵小説作家の中で最も比類のない魅力に富んだ作家のデビュー作「完全犯罪」を始めとして代表的短篇を収録した一冊。
著者等紹介
小栗虫太郎[オグリムシタロウ]
1901(明治34)年、東京神田に生まれる。京華中学卒業。印刷業等を経て、1933(昭和8)年、『完全犯罪』が「新青年」に掲載され注目を浴びる。1946(昭和21)年、没
日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968年神奈川県生まれ。出版社勤務を経て、ミステリ評論家・フリー編集者として活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
21
異様なムードと奇抜なネタの作品がずらりと並んでいてどう考えても面白いはずなのに、かなり難解なため話の筋を追うのに精一杯で雰囲気を楽しむところまで至らず。そんな中でも「完全犯罪」「倶利伽羅信号」あたりは面白かったです。2015/09/27
ヴィオラ
8
これは小栗さんの持ち味なんだろうけど、非常に集中力を要求される感じの読書。気を抜くと何を読んでるか分からなくなる…。とても癖になりそうな読み味ではあるけれどねw2025/01/07
たく
1
ちょっと流し読みですませてしまったので後に再読のこと2014/01/22
ヨコケイ
0
「完全犯罪」「方子と未起」以外は初読。上手い下手はともかく、虫太郎の文章を読むと、ひとつづりの呪文を詠む気持ちになる。それも音声ではなく視覚的な呪文、字面が由来の呪文で、カリグラフィのよう、黒丸尚訳のサイバーパンクやエルロイを読むのと同種の快楽を感じる。「黒死館」のみならず「人外魔境」にすらそれを感じるわけで、何ら普遍的な感覚でなく、個人的なものであろう。それがため、たとえ内容がたわ言のようなものだったとしてもそれがなんだろう、という心もちになる。2016/10/23
五戸燈火
0
これがデビュー作か。「完全犯罪」。法水麟太郎ものでお馴染みの奇想天外奇妙奇天烈な超絶トリックに思わず、いや、思った通り「マジかよ……」とため息をつかずにはいられなかった。小栗節全開。これが好きな者にとってはたまらないですね。その他、特に良かったのは「海峡天地会」と「紅毛傾城」。異国情緒溢れる「海峡天地会」は、序盤の説明がちょっと長ったらしいけれど、終盤の畳み掛けるような展開は圧巻。小栗らしからぬ(?)現実的なトリックも見事。「紅毛傾城」はミステリというより伝奇ロマンかな。結末の美しさにただただ感動。2015/09/26
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