出版社内容情報
「地獄流し」「だるま」「妖怪城」「おばけナイター」「見上げ入道」「猫娘とねずみ男」「さら小僧」「天邪鬼」「おりたたみ入道」「悪魔ベリアル」他。
【解説: 渡辺えり子 】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
268
水木しげるさんの代表作は、やはり「ゲゲゲの鬼太郎」ですよね。TVアニメで有名な話が多いですが定番の面白さで正義の味方・鬼太郎は無敵の強さで頼りになりますし何度読んでも良いものはイイですね。『妖怪城』人のあまり通らない四国山中の村に妖怪から一ヶ月に一人ずつ子供を雑木林に連れて来いという手紙が届く。村長が対処に迷っていると村の長老・百二十歳の山彦じいさんが来て鬼太郎に相談し儂の孫娘を囮に使おうと話す。鬼太郎が見張っていると、ねずみ男に続いて大きな顔だけの妖怪たんたん坊が現れ、強力な青痰を吐いて鬼太郎を固める。2021/09/27
tomi
34
ちくま文庫版「ゲゲゲの鬼太郎」全7巻の1巻目。元々「妖怪まんが集」の1巻として編まれた文庫の新装版で、全13篇が最終話「妖怪大裁判」で繋がる構成。基本的には正義の味方「鬼太郎」が活躍する勧善懲悪だが、狡猾だけどすぐに騙される「ねずみ男」の憎めない存在感が大きい。ビルの存在しない4階を妖怪に乗っ取られたり(「だるま」)、人だまのてんぶらを食べて顔を盗まれたり(「のっぺらぼう」)奇想が面白い。2021/09/26
ホークス
33
鬼太郎は陰影の過剰さがゴシック的で、強烈な闇の描写が心を奪う。併せて世界中の怪奇なモチーフが次々に出てくる楽しさ。例えば地獄に聳える巨大な顔のモニュメント。曲がりくねった鉄骨の髪とゴシック建築様のつっかい棒の首が悪意と狂気を発散する。妖怪にとって人間はただの隣人で、異界の住人たる彼らを理解するなどあり得ない。だからこそ鬼太郎にはある種の救いや癒しがある。のべつ理解や共感を迫られる息苦しい人の世に一時のモラトリアムを提供してくれる。背景は昭和20〜30年代だが、今も変わらぬ力があるのだ。2018/02/09
有理数
22
水木しげる先生、やばすぎる、なんだこの天才は……。言うまでもなく大人気キャラクターだが、原作漫画を読むのは初めて。鬼太郎の活躍を描いた短編が多数収録されている。妖怪が悪事を働く惹きこまれる導入から、鬼太郎たちの活躍、皮肉めいたオチまで、まったく間延びするところがない。完璧。しかし緻密で考え抜かれた書き振りかと言われるとそういった印象はいい意味で薄く、ユーモアな描写や台詞に確かな余裕があり、痛快な娯楽ものとして読み心地は最高。そりゃ国民的な作品になるわけだよなあ……。素晴らしい。2018/10/14
忽那惟次郎8世
11
最近になって水木しげるの素晴らしさを痛感するようになった 子供の頃はそれに気づかなかった。 再度読むきっかけは「オベベ沼の妖怪」 図書館でフランスで出版されている「YÔKI」にその紹介がされていて いてもたってもいられなくなりアマゾンでゲゲゲの喜太郎全8巻を買って読み始めた。 ちなみにフランスでは非常に日本の妖怪に対する関心が強く 先の書籍もとても内容は充実している。2021/05/28