内容説明
歌と舞いを生業として諸国をめぐる女たち。彼女たちが歌い伝えた「はやり歌」―今様。これを後白河院が編んだものが「梁塵秘抄」だ。遊びの歌、男女の歌、日常の喜びや悲しみの歌…。思いをいかにも生き生きと、リズミカルに表現する歌の数々は、平安の人の心を、今の世にまっすぐに伝えている。
目次
第1部 梁塵秘抄の歌(我を頼めて来ぬ男;遊びをせんとや生れけむ;遊女の好むもの;楠葉の御牧の土器作り;我が子は十余に成りぬらん;我が子は二十に成りぬらん;舞へ舞へ蝸牛;いざれ独楽;茨小木の下にこそ;頭に遊ぶは頭虱;鵜飼はいとをしや;択食魚に牡蠣もがな;吹く風に消息をだに;熊野へ参らむと思へども;仏は常にいませども;拾遺梁塵秘抄歌)
第2部 梁塵秘抄覚え書(梁塵秘抄における言葉と音楽;遊女、傀儡子、後白河院)
付 和泉式部と敬愛の祭
神楽の夜―「早歌」について