内容説明
東洋の虚無思想を根底に、『源氏』など古典の文学的幻想を甦らせ、リリシズム溢れる生と美の領域を拓いた、日本初のノーベル文学賞作家―その初期文芸批評から、晩年までの作品を通して、川端文学の核心に迫る本格的作家論。
目次
1 『文芸時代』の川端康成
2 昭和初期の川端康成「温泉宿」論
3 「禽獣」論
4 「雪国」論
5 川端と北条民雄
6 戦中の川端康成「名人」論
7 昭和20年代の川端康成「山の音」論
8 「千羽鶴」論
9 「みづうみ」論
10 昭和30年代の川端康成「眠れる美女」論
11 仏界入り易く、魔界入り難し