感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
23
今は亡き現代教養文庫の小栗虫太郎選集2。中篇「完全犯罪」「白蟻」「海峡天地会」を収録。3つとも作品の方向性がかなり違っているので1冊で長く楽しめるうえに、このシリーズ何がスゴイかって300頁のうち約100頁を解説その他が占める事である。これで難解な小栗先生も少しは安心?長田順行の暗号論を読むと改めて「黒死館殺人事件」と小栗虫太郎のスゴさを思い知らされます。そんな中、小栗虫太郎との思い出と親切な人柄に触れる横溝正史の随筆は、久生十蘭なども登場して当時の探偵小説文壇の話としても貴重だし読み易さにびっくりするw2015/08/30
ホームズ
9
『海峡天地会』は初めて読んだかな。『完全犯罪』と『白蟻』は読んだことがあったけど相変わらずちょっと読みにくいかな~。皆が楽しめるような小説ではないですね~(笑)横溝正史の『小栗虫太郎に関する覚書』が面白かったかな(笑)2012/03/23
ゆーいちろー
2
推理小説マニアではないので、よくわからないが、「完全犯罪」は探偵役が事件を解決できず、文字どうり完全犯罪となってしまった異色作と言ってよいのではないか。これが、デビュー作というから、小栗は最初から変格の作家だったのではないかとも思える。日影丈吉の「ありえない・・・」云々の解説が当を得ているように思える。収録作の中では、「海峡天地会」がよくまとまっていて面白かったと思う。本巻は、解説、暗号の資料が充実している。2010/03/28
Auristela
1
虫ちゃんの小説はどれだけ悪文でも、戦時中の子供向け児童書であっても、探偵小説や魔界辺境ものであっても、形式など一切関わりなく愛されるべき情熱に満ちていると思います。2013/01/24
冬至楼均
0
横溝正史の代原として世にでた「完全犯罪」、そしてその急死の際に約束を守って横溝が書いたのが「蝶々殺人事件」。そのあたりの経緯が横溝本人の弁で書かれます。2011/09/14