内容説明
文豪鴎外の子、森類のエッセイ・小説集。初めて公開する気品と才能あふれる作品集。
目次
第1部 エッセイ(不肖の子;父の笑顔;森家の兄弟;防空壕;鴎外の子供たち ほか)
第2部 小説(通勤;或る男;鼠心;驟雨;市街八分 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryoichi Ito
4
森鴎外の三男・類(1911-1991)の作品集。24篇のエッセイ,12篇の小説を収める。類以外の鴎外の子は医学者,文人として名を成したが,類だけが無名で一生を終えた。両親,兄,姉妹を語る文章は率直で,そのために二人の姉の怒りを買い,姉杏奴とは生涯絶交のままであった。姉を描いた短文を岩波書店の小林勇専務が拒否するくだりは信じがたい。小林はヤクザだ。また,NHKのテレビドラマで父鴎外を別人のように描くことへの抗議とNHKの傲慢な対応にも驚く。NHKもヤクザだ。2020/09/15
まつ
3
鴎外の子供たちがそれぞれ書いた物を読んできたが、こちらは初めて読了。わかりやすい文章は読みやすく描写は色彩豊かなもの。ユーモアがありながらスッと引いて写実な感じ。サラッとした嫌味や詩的な感じ。庶民とはかけ離れた生活をしてきた人が持つ独特さが表れていたと思う。小説部分よりエッセイがよかった。2021/04/03
司
0
エッセイは面白いんだけれど小市民に落ちぶれた感満載の小説がつまらない。2011/04/16