内容説明
邪馬台国から約150年、謎の世紀、空白の古代史の沈黙を破り、突如として中国の歴史書に姿を現わす五人の王、讃・珍・済・興・武。彼等は一体、誰なのか。そして、何をしようとしたのか。貴重で乏しい史料を使いながら、著者独自の数理文献学、計量言語学の手法によってデータを弾き出し、その実像に迫る。東アジア史に新たな視点を投げ掛ける一冊。
目次
プロローグ 五世紀の闇を照射する
序 「倭王讃=応神天皇」説の誕生―鬼才、前田直典が見た世界(「魏志倭人伝」をしのぐ記事と量の期間)
第1章 「倭王武は雄略天皇」である(年代論による検証;稲荷山古墳出土鉄刀銘文の閃光;「獲加多支鹵大王」にせまる)
第2章 「倭王讃は応神天皇」である(統計的年代論から検証する;倭の新羅進出は、史実か)
第3章 今、空白の五世紀が見えてきた(百済系史料の読み方;新羅進出は、年代推定の鍵;東アジアの国際関係)