出版社内容情報
領土問題…天然資源…不透明な軍事費…隣の大国はいったい「何から、何を、何で」守ろうとしてきたのか。
大国として台頭する中国。その中国にとって何が脅威なのか。その脅威から何を守ろうとしてきたのか。そしてその手段はいかなるものなのか。建国以来50年以上の安全保障戦略を、体系的にわかりやすく整理する。中国研究の碩学による、これまでの研究の集大成。
関連書:同著者 『台湾問題──中国と米国の軍事的確執』 (小社刊)
まえがき──現代中国研究はジグソウパズル
第一章 何から守るのか──脅威論
第一節 隣接国の圧力
1 中国の国土と周辺諸国
2 国境を接しない国からの脅威──米国
第二節 ソ連・ロシア
1 同盟から対立へ
2 ソ連の新たなる脅威
3 鄧小平の改革・開放とソ連との関係改善
第三節 米国
1 朝鮮戦争と米中冷戦
2 朝鮮戦争の影響
3 ベトナム戦争と中国
第四節 中国周辺の小国
1 モンゴル
2 朝鮮半島
3 ベトナム
4 インド
5 パキスタン
6 日本
第二章 何を守るのか──目的論
第一節 「中華帝国」と「失地回復主義」
1 過去に支配した地域は「中国の領土」
2 国境線ではなく「辺疆」
第二節 民族問題──「内からの敵」
1 中国は多民族国家
2 「民族自決」ではなく「民族自治」
第三節 「敵を国土に引き入れて戦う」──「積極的防御」
1 国土・人民の防衛よりも敵兵力の殲滅
2 建国後も「積極的防御」を採用
3 批判された「積極的防御」
第四節 「戦略的辺疆」──現代版「中華帝国」
1 拡大する「戦略的辺疆」
2 台湾の地理的位置、戦略的重要性
3 宇宙と深海底へ
第三章 何で守るのか──政策論
第一節 軍事力の構築
1 通常戦力の近代化・正規化
2 核兵器と人民戦争の「二本足」戦略
3 次世代核兵器の開発
4 限定的な通常戦力の現代化
第二節 外交手段
1 同盟条約
2 多様な統一戦線の採用
第三節 兵器移転と対外政策
1 兵器供与と安全保障
2 西側軍事技術導入による兵器の改良
3 大量破壊兵器の移転と米国の軍備管理体制への挑戦
第四節 軍事力と政治力の巧みな組み合わせ
1 朝鮮参戦と対米対決路線の確立
2 米国の中国政策を探った台湾海峡危機
3 「ソ連主敵」と「米中接近」を決定づけた中ソ国境紛争
4 ベトナムのインドシナ支配を阻止した中越戦争
5 米ソの不介入を見通した南シナ海進出
6 台湾への軍事威嚇──1996年の台湾海峡危機
7 日本政府の弱腰を見通した東シナ海進出
あとがき
研究業績一覧 1964年4月~2005年10月
内容説明
隣の大国は、いったい「何から、何を、何で」守ってきたのか。
目次
第1章 何から守るのか―脅威論(隣接国の圧力;ソ連・ロシア;米国;中国周辺の小国)
第2章 何を守るのか―目的論(「中華帝国」と「失地回復主義」;民族問題―「内からの敵」;「敵を国土に引き入れて戦う」―「積極的防御」;「戦略的辺疆」―現代版「中華帝国」)
第3章 何で守るのか―政策論(軍事力の構築;外交手段;兵器移転と対外政策;軍事力と政治力の巧みな組み合わせ)
著者等紹介
平松茂雄[ヒラマツシゲオ]
1936年静岡県に生まれる。1966年慶應義塾大学大学院法学研究科(政治学専攻)博士課程修了。慶應義塾大学法学博士。1967年防衛庁防衛研究所勤務、第一研究部第三研究室長。1987年杏林大学社会科学部教授。2005年同大学退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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