感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那由田 忠
6
85年本で、62年に初めて選挙定数是正訴訟を起こした越山康などの弁護士たちが書いた。国会の定数配分の歴史を詳細に述べて役立つ。最初は人口比例で配分し5年で是正と決めていても、現職議員の抵抗もあり小手先是正でごまかしてきたと分かる。最高裁の判決趣旨も分かりやすく説明される。目標の「基準人数に一議員を」がやや分かりにくく、当時の参議院地方区是正案も最低県に一人認めて格差が3倍になっている点が弱点。衆議院で二倍許容の憲法学者の説を鋭く批判する点がよい。『真の民主主義国家は「一人一票」で誕生する』を凌駕する良書。2015/02/11