出版社内容情報
《内容》 「統合失調症」への病名変更をふくめ,現代の精神医療の状況は著しく変化している。本書はそのような状況を踏まえて重要語句に修正を加えるとともに,どんな状況にあっても変わらないケアの基本をさらに磨き上げた。「隠れた名著」として評価の高い本書が,さらにグレードアップして登場。
《目次》
1 はじめに考えておくこと
2 精神医療とはなんだろうか
3 症状をどうみるか-特異症状と一般症状(非特異症状)
4 睡眠と覚醒
5 精神療法
6 薬物療法その他
7 統合失調症圏の病気
8 統合失調症の経過・I
9 統合失調症の経過・II
10 躁うつ病圏の病気
11 神経症圏の病気
12 人格障害
13 外因性精神病
14 精神科と他科との境界にある問題
15 現代精神医学を位置づける
付録
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶくし
4
医療には全く縁がなく、また精神的な問題も現状はないと思う。興味本位で拾い読みでもしてみようと読み始めた本だったが、気付くと全て読み終えていた。この本では看護という観点から主に治療者側で語られる文章であり、基本的には医療従事者、特に看護にあたる人や治療にあたる医師が精神病というものの概観を知るための本だと思う。しかし、将来的に自身の精神に異常が起きた時に、自分の状態を客観的に見るための知識としても役立ちそうだという思いから読み通した。 2022/02/22
ほなみ
3
精神看護を実践する上での心構えや基本姿勢を学ぶことができる良書。看護への深い洞察に唸るが、それ以上に、著者が看護者や医師、その他精神科領域に関わるすべてのスタッフの心身の健康を気にかけている心情がその筆致に現れていることに驚いた。他の専門書と一線を画す所以はここにあるのではないか。2022/10/30
バーニング
3
やや古い本であるが統合失調症に関する記述のバリエーションはさすが中井久夫だなと思いながら読んでいたし、読み物として単純に面白かった。それ以外では睡眠の章や躁うつの章、短いながら境界例、精神遅滞、てんかんの項目も仕事で関わる範囲であるので興味深く読んだ。後半はやや流したがアルコールやドラッグによる精神病への目配せまであるのも幅が広くてよいと思った。2017/12/15
つなぐ
3
やや古い本になりますけど、統合失調症の病期の理解については、やっぱり中居先生の本が一番分かりやすく、しっくりくるものになっています。医療者として、精神症状のある患者の行動の見立て方、言葉のかけ方、うまいなあと、やっぱり中居先生の本はそういうところは役立つと思います。統合失調症の現代的な治療や精神科の他の疾患については、もっと良い本があるので、精神看護で入院で多い統合失調症の患者さんと接する心構えみたいなものを学べる本として考えると良いのではないでしょうか2017/07/30
anchic
3
看護だけでなく、対人援助に関わる人にはぜひ読んで欲しい本でした。心理臨床の現場の経験に根ざした知識や技術がたくさん記載されていてとても参考になりました。2011/03/14