内容説明
永田町・首相官邸。２０Ｗ電球の下で火鉢を囲み、密談を交わす老人二人。何を隠そう、エネルギー危機に策もなく、米国にもアラブにも見放された首相と官房長官なのだ。藁にも縋りたい二人は、ついに久留田博士のおならエネルギー開発に縋ってしまった。久留田理論とは？へ理屈ではない！これぞ、ヨコジュンの妄想が紡ぐ魔訶不思議の異郷だ…表題作他、究極のＳＦ世界を展く空前絶後の７篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶうたん
8
比較的ダジャレは少なくて、どちらかと言うと風刺が効かせた短篇集。ヨコジュンのハチャハチャSFは苦手なので、そういう意味では読みやすいし、読み方によってはかなりブラックな味にも感じられる作品すらあって、意外な感じはする。題材的には江川問題を扱った作品とか時事的な風刺が強いものは、若い人には分かりにくいところもあるかもしれないが、中には現代に通じる問題を取り上げた作品もあり、そこまで古びた感は無い。と言っても書かれたのは今から40年前だけに今後再刊に恵まれるかどうかはわからないないが、まあまあ楽しめたと思う。2021/03/24
