感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
48
著者は自分の字が汚いと言う。が、本書に出てくる本人の字を見ると、「あなたの字はまだマシでしょう」と言うのが正直な私の感想。私は稀代の悪筆である。本書に書かれた字が汚い故のコンプレックス、自分のメモさえ読めない悲喜劇、まさに自分の事である。結局、どうやれば字が綺麗になるんだろう。どんなに好きで練習しても上手にならないゴルフと一緒で、結構練習もしてきたのだけれどどうしようもない。私の自筆遺書を見た家族はまず何を書いているか判読作業から入らねばならないだろう。その時の様子を想像すると苦笑いしかない。2021/04/15
G-dark
20
「いったい何がいけなかったのか。きちんとした大人っぽい字が書ける人と、そうでない人との違いはどこにあるのか」という著者の嘆きに共感を覚えながらこの本を読んでいくと、時代が移り変わると共に人々の字の傾向も変化していくことも考察されていて、興味深いです。また、著者がわたしと全く同じボールペン字の練習帳に取り組み、「〝ぬ〟ってこんな字だっけ？」と、わたしと全く同じ感想を抱いたことにとても親近感を覚えました。まさにゲシュタルト崩壊！ 字に酔いますよね…。車酔いや船酔いみたいに。2022/11/05
オールド・ボリシェビク
6
字が汚くて馬鹿にされたりしてきた編集者・ライターが一念発起、「美しい字」を目指すルポである。まあ、今の時代、デジタル化によって書き文字の美醜はそれほど気にする事もなくなったのかもしれないが、やはり、字はきれいとはいわずとも、せめて読みやすくはありたい。収録されている石原慎太郎の字は凄まじく読みにくい。他人に対して傲慢だと、ああいう字になるという典型だと思う。2022/08/21
次へ
3
私も子供の頃はちゃちな字と言われ傷ついた記憶があるし、大人になったら自然に大人の字を書けるのかもと秘かに期待していたけど裏切られたので、つい手に取ってしまったけど、まぁ同病相哀れむ一冊でした。2021/09/28
朔麻
3
本屋で平積みしていて共感しかない。帯に「世界初の『ヘタ字』研究」「50歳を過ぎても字はうまくなるのか？」「なぜか朝日・読売・産経・東京・日経各紙も絶賛」とあって、いい歳しても字がきれいになるならと読了。「情熱と執念の右往左往ルポ」ともあり、実際に作家の自筆を見るためだけに大枚払っていたりするのですごい。各章の扉に元の「乱筆乱文にて失礼」という著者の手書きの題名が乗っているのだが、章を重ねるごとに上手くなっているのがすごい。特に４章の扉の成長ときたらお父さんお母さんもびっくりですよ。 ゆっくり書くべし。2020/12/21
