出版社内容情報
第二次大戦の勝敗を決した大空の対決は日米の技術と国力、価値観の戦いだった。両国技術者、搭乗者のドラマを軸に描く決戦の全貌
内容説明
ミッドウェー海戦初期、零戦隊は米新鋭機アベンジャーを叩き、赫赫たる戦果を上げた。だが首脳陣の決断の一瞬の遅れが日本軍に潰滅的打撃をもたらす。敗因分析もろくにしなかった日本軍に対し、米軍は冷静な分析の中から次なる方針を打ち出し、F6Fの開発、零戦情報の収集を急いだ…。渾身の大河ノンフィクション全6巻の2。
目次
第3部 連合艦隊はミッドウェー作戦で一気に米空母部隊を壊滅させようと出撃するが、戦勝気分の蔓延が運命の大逆転をもたらすことになる。
第4部 一機の零戦がついに米軍の手中に入り、零戦の秘密は解明されてしまう。その頃米軍は恐るべき戦略爆撃機B29のテストに入っていた。
第5部 ソロモンの空に米軍はF4Fなどを大量投入して反攻してくる。零戦は奮闘し数々のエースを生むが、同時にベテランを次々に失う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
43
この巻に見られる日米の兵術思想の違いは興味深い。馬力最優先だったF6FとB-29から読みとれるのは、つまるところ技術の向上とは、いかに効率よくエネルギーを力に変えるかが見えてくるからだ。速度は高度に変換できる。高度は速度に変換できる。強力なエンジンが生みだす大馬力は、技術の向かうべき方向を示唆しているといえるのだ。しかし、政治権力と同じように、力を持つ者やそれを行使するものが優れた存在とはいえない。残念ながら戦争の歴史は力をもつものが勝者とされるのだが。2020/09/18
イプシロン
29
約40年前の著作だが、「少しばかり外国よりぬきんでると、すぐ世界一と思い上がってしまう日本人の精神的風土」とあり、今も昔も変わらないんだなと嘆息した。また、B-29の技術力の高さの記述がエンジンだけに絞られているのは少し残念だった。他にも機内与圧と冷暖房完備、アナログ・コンピューターによるリモコン銃座の装備とか、B-29そのものより機密度の高かったノルデン爆撃照準器に触れていれば、日米の技術差がより冷静に知れると思ったからだ。もっとも日本人からするとB-29は悪魔のような存在で、知りたくもない気持ちは2023/07/16
クライン
8
少しでも太平洋戦史に触れたことがあるのなら、この戦いの名を知らずに進むことは不可能でしょう。ミッドウェー海戦。もし日本がこの戦いに勝利していたとしても、結末は変わらなかったかも知れませんが、少なくとも戦後の形は違っていたように思えてなりません。一つの歯車の回転が、凄惨なまでに鮮やかに明暗を描き出す。映像でなく誤魔化せない文字の連なりでその推移を辿るのは、辛い作業でした。しかし戦いは未だ、終わりません。2015/04/15
むらきち
2
前半は一巻から続きのミッドウェイ、中盤はF6FやB29など開発話と捕獲零戦を軸にした米側の分析話、後半はソロモンの話です。アメリカ側から見た零戦の話を読んだのは初めてなので、とても面白かったです。2011/05/18
夜空/脱走兵
0
「零戦燃ゆ2」 前作が零戦が発明されてしばらくの陽の時代だったとするなら、今作は悪化していく戦局の隠の時代を描き出しています 前作は零戦のスペック主体でしたが、今作に入り米戦闘機の解説も濃密に入り、最終巻に向けてボルテージが上がっています2017/11/22
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