文春新書
女帝と譲位の古代史

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166603541
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C0221

内容説明

現在の皇室典範では女性の皇位継承は認められていないが、古代においては推古天皇以来、複数の女帝が皇位に就いている。従来は、適当な男性の皇位継承者がいないときの「中継ぎ」と見られていた女帝だが、『記・紀』を丹念に読み解けば、女帝が単なる「中断ぎ」ではなく、皇位を安定させ、政治の動揺を未然に防ぐために重要な役割を果たしていたことがわかる。古代天皇制の特徴である「女帝」と「生前譲位」をキーワードに、皇位継承の歴史を描き出す。

目次

第1章 卑弥呼と壱与―本格女王の時代
第2章 飯豊皇女―古墳時代の女王
第3章 推古天皇―「皇女后妃」の即位
第4章 皇極(斉明)天皇―譲位と重祚の真相
第5章 持統天皇―「太上天皇」の出現
第6章 元明・元正・孝謙天皇―天平の女帝たち
終章 女帝の終焉と譲位の通例化

著者等紹介

水谷千秋[ミズタニチアキ]
1962年、滋賀県大津市生まれ。龍谷大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得(国史学)。博士(文学)。現在、龍谷大学・堺女子短期大学・京都西山高等学校非常勤講師。日本古代史、日本文化史専攻
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

26
○女帝の性質の変化と生前譲位についてわかりやすくまた面白かったです。持統天皇でかなり制度として確立してきたのがよくわかりました。2024/02/26

ユウユウ

26
読みやすく、大学の時のことを懐かしく思い出した。この辺の歴史やっぱり好きだなぁ。男系信じてる方、ある意味ピュアですよね。2019/10/26

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

6
2003年刊。 本書は恩師の荒木敏夫教授『日本の女性天皇』や橋本治『日本の女帝の物語』、あるいは永井路子『美貌の女帝』も参照すると面白い。また、帚木蓬生『日御子』は卑弥呼を描いた力作。 第一章:卑弥呼と壱与。邪馬台国畿内説&卑弥呼シャーマン説で読む価値は無い。前者は九州島上陸地点の「末蘆」を「松浦半島」に比定している点が、後者は「鬼道」をシャーマンの根拠としている点がだめ。もし神託で戦争に負ければその権威は失墜する。”シャーマン・キング”は古墳時代には通用しない。→2023/12/02

おらひらお

4
2003年初版。女帝の性格を考えるうえで教養として目をとおしておくべき一冊ですね。祭祀性の喪失も重要です。2018/07/28

てっちゃん

4
女帝と譲位を理解するには役に立つ。女帝は譲位を前提にしたつなぎとはいえ、一定の役割を担っていたとなると、女性の天皇を否定することは、そう簡単ではないと思った。2016/09/13

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