内容説明
江戸時代の牢屋敷は、外からは、うかがい知ることのできない暗黒世界だった。入牢してきた岡っ引きへの残酷な復讐、人減らしのため闇の中に葬られる「作造り」など、牢名主が絶対権力をふるう獄内では、あらゆる無法が罷り通っていた。また幕末期になると、牢内で開国を談じる吉田松陰や、持ち込んだ賄賂によって牢名主につぐ地位を手に入れた渡辺崋山のような「異能の人」もあらわれた。江戸という時代の裸の姿を垣間見させてくれるもの―大江戸牢屋敷の塀の中は、涙も苦しみも役人との知恵くらべもいっぱいに詰まったワンダーランドだったのだ。
目次
小伝馬町牢屋敷の世界
非道探索控
残酷物語アラカルト
伊豆・佐渡流刑の人
元祖“鬼平”の人足寄場
切支丹屋敷の異邦人
幕末風雲の人受難録
著者等紹介
中嶋繁雄[ナカジマシゲオ]
昭和4年、福井市生まれ。福井保護観察所(法務省)につとめた後、福井新聞記者、「歴史読本」編集長を経て歴史ノンフィクション執筆。著書に、『日本の名門200』『諸藩騒動記』『事件で見る明治100話』(以上立風書房)、『秘話・幕末明治の101人』(新人物往来社)、『日本の大名家はいま』(学研)、『日本の名僧100人』(河出文庫)、『明治犯科帳』(平凡社新書)などがある
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感想・レビュー
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金吾
17
江戸時代の牢や拷問の状況がわかり面白かったです。また流刑や切支丹屋敷の話も興味深いものでした。ただ最終章は蛇足だと感じました。2024/01/09
秋乃みかく
5
★★★★☆ 地獄の沙汰も金次第…まさにこの言葉通りの江戸牢屋敷の実態に驚いた!こんなことがまかり通っていたなんて恐ろしすぎる。。((((;゜Д゜)))絶対権力を持つ牢名主、牢内での私刑、岡っ引きへの復讐等々…なんという暗黒社会なんでしょう!しかも畳一畳に18人なんてあり得るの??(笑)これを読んでるとなんだか現代の刑務所が天国に思えてくる。。(いや入ったことないですケド)吉田松陰についても書かれてたけど、松陰の異常人ぶりってやっぱり凄いんですね(笑)きっと思考回路が常人とまったく違うんだなw2015/06/21
小心
1
吉田松陰タフすぎる。高島易断の高島さんの人生が波乱万丈でびっくり。十思公園はこの本を読む前に気楽に数回行ったことがあるけれど、読後の今は軽い気持ちでは訪れられない場所になった。2017/07/30
こぽぞう☆
1
吉田松陰や高野長英の牢生活なども書かれ、面白くなくはなかったけど、再三辻褄が合わない書き方がされている。前後で数字が合わなかったり。そういうのが多いと気が散って読みにくいね。2015/11/05