文春新書
江戸のお白州

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  • サイズ 新書判/ページ数 219p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166601271
  • NDC分類 322.15
  • Cコード C0221

内容説明

江戸時代も現代も人間が人間であることは同じ。仕出かす愚行も不倫、下半身接待強要、夫殺し、いじめ、未成年者誘拐等々と昔も今も変わりはない。しかし、それが発覚したあとに待っている刑罰には天と地の差があった。主人の妻と密通した下男は死罪、妻も同じ。吉原に連れていけと町人にねだった奉行所の同心は島流し、夫を刺殺した若妻は市中引廻しのうえ「はりつけ」。同僚をいじめた末にプッツンさせた旗本たちはお役御免や強制隠居。人殺しでもほとんど死刑にならない現代は、やっぱりいい時代。

目次

お上の慈悲―鴎外はなぜ結末を作り変えたか
捕物帳の真実―犯人を捕縛出来るのは同心だけ
吉原の無法な客たち―まんまと騙された五人の侍
息子の密通と母親―人よりも罪を憎んだ家老たち
哀しい御徒―庶民同然だった下級武士
不倫の結末―妻を殺そうとしても放免
遊女あがりの女房―幸せになったものも多かったが
売られた妻―「売買価格」はたった十五両
町人恋愛事情―命がけだった奉公人同士の恋
女三人連れて出奔―貧乏旗本が雇った若党の素顔ほか〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saga

50
【再読】『御仕置裁許帖』等の史料を基に、江戸時代の裁判例を考察する。人間というものは、たかだか二、三百年の時間の経過では、犯罪の切っ掛けは変わらないものなのだな~。しかし、その犯罪に対する量刑は大きく変わった。生命の軽重と、誤認逮捕や拷問による冤罪の発生という負の面があった江戸。しかし、武士は武士らしくあれという倫理観や、大岡裁きに象徴されるお上の慈悲が、現代の裁判には欠けているかもしれないと思える読後感だった。2023/02/19

mazda

29
江戸時代の犯罪と処罰について、細かくいろいろ書いてあった。死刑も覚悟の上で不倫をしたりする輩もたくさんいたようだし、同じように悪いことをしても死罪か流罪かで大きな違いが出たりと、現代人と同じようなことを経験していたんだな、と思うと、遠い昔のこととは思えない親近感がわきました。2014/07/07

幽寂庵

1
現代って罪人に甘いなと思ってしまいそうです。「江戸の刑法」の方が解説は良い。2009/06/25

tecchan

0
江戸時代の資料、特に犯罪記録を使って、江戸時代の社会、人々の考え方や行動、支配的な観念などを探っている。一般的には平和な時代と言われるが、主従関係などの秩序を壊そうとする犯罪には厳しい罰がくだされ、人間の命が非常に軽い時代だったことがわかる。2017/01/25

マカロニ マカロン

0
個人的な感想:B。江戸時代の判例集のような本で、不倫、夫殺し、いじめ、家庭内暴力など江戸時代の人も現代人も犯罪の種類は変わっていないのだなと納得。ただし、刑罰は不倫しただけで死罪、商店の奉公人が主人を殺すとその親兄弟まで死罪になったりと、刑罰の重さは比較にならない。現代は人一人殺してもまず死刑にはならないし、たとえ死刑判決が下りても、法務大臣が死刑の執行にサインしない。いい時代になったもんだ!2012/03/10

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