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時の眼―タイム・オデッセイ

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  • サイズ B6判/ページ数 357p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152087836
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

2037年、国連平和維持軍の英国人ビセサ、アメリカ人ケイシー、アフガニスタン人アブディカディルは、パキスタンとアフガニスタンの国境地帯をヘリコプターで監視飛行中、ゲリラの攻撃を受け、見たこともない砦の近くに不時着する。そこは、1885年の大英帝国領インドのジャムルド砦だった。砦には、英国将兵のほか、アメリカ人記者ジョシュ、のちに大作家となる若き英国人記者キプリングがおり、百万年前に絶滅したはずの猿人までが捕まえられていた。さらに、紀元前4世紀のアレクサンドロス大王の軍団が砦に迫りつつあった。いっぽう、2037年に国際宇宙ステーションからソユーズ宇宙船で帰還中の宇宙飛行士たち、ロシア人のムーサとコーリャ、アメリカ人セーブルは、通信途絶のため地上からの支援が受けられなくなっていた。やむをえず自力で着陸した三人が到着したのは、チンギス・ハンの支配する13世紀のモンゴルだった。地球は恐るべき天変地異「断絶」により、200万年にわたるさまざまな時代と土地がキルトのようにつぎはぎされていた。しかも、その異変とともに出現した無数の銀色の球体“眼”が、すべてを観察しているかのように空中に浮かんでいる。この“眼”の正体とは…そして「断絶」はなぜ起こったのか?英国SF界の新旧ふたりの巨匠、クラークとバクスターが、『2001年宇宙の旅』に始まる「宇宙の旅」シリーズを新たな角度から描く「タイム・オデッセイ」シリーズ第一弾。

著者等紹介

クラーク,アーサー・C.[クラーク,アーサーC.][Clarke,Arthur C.]
1917年、イギリスのマインヘッド生まれ。グラマー・スクール卒業後、ロンドンで会計監査の公務員となる。第二次大戦中はイギリス空軍に所属し、除隊後はキングズ・カレッジに入学、物理学と数学を専攻した。1946年のデビュー以来、『幼年期の終り』『渇きの海』『海底牧場』などの名作を次々と発表、1973年の『宇宙のランデヴー』と1979年の『楽園の泉』はヒューゴー・ネビュラ両賞受賞をはたした

バクスター,スティーヴン[バクスター,スティーヴン][Baxter,Stephen]
1957年、イギリスのリヴァプール生まれ。ケンブリッジ大学とサウサンプトン大学で数学と工学を学ぶ。数学と物理学の教師をするかたわら、作家活動をつづけ、1995年から専業作家となった。1987年のデビュー以来、H・G・ウエルズの名作『タイム・マシン』の公式続篇で、英米独の4賞を受賞した『タイム・シップ』など、話題作をつぎつぎと発表している

中村融[ナカムラトオル]
1960年生。1984年中央大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぜんこう

18
《宇宙の旅》シリーズの「直角編」というので図書館で借りてみた。2段組みなんでちょっとしんどかった。2037年の国連平和維持軍、19世紀のイギリス領インドの砦、アレキサンドロス大王の軍団、200万年前の猿人・・・同じく2037年のソユーズ、チンギスハンの軍団。地球はキルトのように各地の時代がバラバラ、そして各地に浮かぶ球体の〈眼〉。この両軍団がバビロンで衝突。戦国自衛隊よりスゴいです(^^;) タイムパラドックスも何でもあり。この地球は元にもどせるのか?なんか僕が書くと安っぽくなる、ごめんなさい(^^;)2018/10/06

roughfractus02

9
科学をベースとしたSFでは時間と空間は分離せず、一方が変われば他方の質も変わる。が、人間中心の物語を通すと、スペース・オデッセイ(『2001年』シリーズ)では現在の中に異空間が集まり、タイム・オデッセイである本書は、ある時点の地球の洞窟周辺に200万年前の類人猿、アレクサンドロスの歩兵軍団、13世紀のチンギス・ハンの騎兵軍団、19世紀末の英露グレート・ゲーム下の大英帝国の駐屯軍、2037年の国連派遣軍とソユーズの乗組員が集まる。一方、戦いの物語を見つめるのは地球の周りに散財する球体たちである(表紙参照)。2023/10/01

SINKEN

9
【総評】★★★★☆【感想】なるほど、時の眼か。タイムパラドックスで歴史改変で、小難しいのは確かだけど読み終えた時の満足感は大きい。争いを正当化し、消費し続ける人類に対する大いなる警鐘と捉えれば、決して物語の中だけと安穏としてはいられない。人類の叡智を超える存在に対峙した時、これまで以上の新たな進化は起こせるのか?巨匠クラークの3部作だけあって、のっけから非常に引き込まれた。眼は何の為に現れたのか、続きが楽しみ。2017/12/27

赤い熊熊

7
地球がバラバラな時代のパッチワークに作り直されてしまう。蛮族モンゴルに対するアレクサンドロス王の軍勢。円周率がπではない得体の知れない完全な球体。スケールの大きな物語は謎が謎のまま終わります。2015/07/18

ophiuchi

6
久しぶりに読んだ海外SF。タイムスリップでパッチワーク状態になった世界での、アレクサンドロスとチンギス・ハンの戦いに21世紀人が絡むという設定は楽しめたけど、クラークらしい「ヴィジョン」が見えてこなかったのが残念でした。2012/01/08

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