内容説明
この戦争でかくも甚大な損害率を被った部隊は、英国三軍の中では他にない(チャーチル)―絶望と希望の間を揺れながら、英国第10潜水戦隊は枢軸軍の統べる海域で困難な作戦を遂行するが、孤立無援のマルタ包囲戦を闘う各艦艦長は、敵の猛攻に次々と倒れていく。しかし、圧倒的に見えた敵戦力のほころびから微かな光明が…Uボートを超える活躍をしながらこれまで知られなかった潜水艦部隊の、死闘の全貌が明らかに。
目次
第3部 さまよえる部隊―一九四二年五月‐七月
第4部 マルタへの帰還―一九四二年七月‐一九四三年一〇月
第5部 フィナーレ―一九四三年一〇月‐一九四四年九月
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
5
1944年9月21日、ラ・マッダレーナに停泊していたHMSタルボットが軍艦旗(White Ensign)を下ろし、第10潜水戦隊は解体しました。しかし、地中海で最後の戦果が挙がったのは、アンスワービングによるドイツの船団攻撃で、同年の10月3日のことだったのだそうな。この本は、この苛烈な戦争を淡々と描いた貴重な記録です。英国で最も高い損耗率を残した悲惨な戦いと言っても、日独の同時代の歴史を見ればもっと酷いのはあったよな、と思ったけどまぁいいか。貴重な記録ですし、誤解を恐れずに言えば面白い読み物でした。2011/06/01
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