感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
20
96年(平成8年)の税抜660円の青背初版を読了。英出版社の3分冊の企画本“ジ・アーリイ・アシモフ”の2巻目で12編を収録。前巻と同様、各話前後の著者のツナギが秀逸で、ファウンデーションと陽電子ロボ辺りで更に盛り上がる(趣旨からして本書には含まれない)。「金星の…」は前巻の「混血児」の続編。「地球種族」と「虚数量」「新入生…」は共通世界。「地下鉄…」と「幽霊裁判」はFポール(Jマクレイ名義)との共作ファンタジーで、どちらもF系のアンノウン誌で没。巻末の「時猫」は雑誌内のSSコラム用の偽名作品。★★★★★☆2020/03/09
鐵太郎
15
初期アシモフ第二弾。12篇の短編を、それぞれアシモフ自身のさまざまな思いを乗せた紹介文を挟んで並べています。このアシモフをアシモフたらしめた楽しいエッセイがあるからこそ買う価値がある、と第1巻では思ったのですが、この第2巻はちょっと違う。あ~あというような作品もありますが、「スーパー・ニュートロン」のように、のちのアシモフの有名なSF法螺話の萌芽となるような光る作品もあり、なかなか素敵。時代の古さを考えれば、あの時代でこれだけ書ければ立派です。2017/12/24
ふりや
14
アシモフのデビュー間もない頃の作品を集めた短編集。ほとんど1940年前後に書かれたもので、まさに「古き良きSF」といった内容でした。王道の宇宙モノやユーモラスな作品まで、アシモフが名声を得るまでに発表してきた作品を年代順に辿れます。各短編ごとに著者自らによる解説が付され、雑誌掲載時のいきさつや裏話、ギャラの値段なども書かれていて面白いです。ハインライン、クラークと共に後に「SF御三家」と呼ばれるまでになるアシモフですが、色々苦労もあったようです。近いうちに『銀河帝国の興亡』を読む予定なのでそちらも楽しみ。2022/05/29
スターライト
11
アシモフの初期作品から単行本未収録を集めた作品集、第2弾。各作品もさることながら、間に挟まるエピソードにどうしても目が行く。相変わらず作品を書いてはキャンベルに没にされることが続くが、途中からフレデリック・ポールとも縁ができ彼の編集する雑誌にも掲載されていく。それどころか、合作も行い、本書に二篇収められている。後の人気シリーズ〈ファウンデーション〉につながっていくアイデアや、うまくいった作品の続篇を書くなど、執筆や掲載のコツを覚えていく過程が興味深い。標題作はユーモラスなクリスマスもの。2021/01/07
roughfractus02
9
宇宙にも歴史はあるが、時間を跨がって生きる猫が隣にいる時空では、歴史の時空自体が崩壊の予感に満たされている。それは直線上の時間と平面的に広がる地球的な歴史時空ではなく、ランダムさから秩序が作られ、ランダムさの中に解体する。12の短編を収めた本書にはファウンデーションシリーズの鍵を握る「心理歴史学」のモデルが出てくる。大量のデータを数学的処理によって集団の長期動向を扱う生化学的歴史学に過去の敗戦国の元首ヒトラーを語らせる作者は、時を跨ぐ猫の話を書き終えた1941年12月7日に真珠湾攻撃の報を聞いたという。2023/07/29
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