周縁からの中国―民族問題と国家

周縁からの中国―民族問題と国家

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  • サイズ A5判/ページ数 309,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130301152
  • NDC分類 316.822
  • Cコード C3031

出版社内容情報

広大な大陸に住む55もの少数民族を,統合に向けて漢民族はいかに統治してきたのか.チベット,モンゴル等の紛争をモデルケースに,現代中国の辺境政策とエスノ・ナショナリズムとの相剋を描く.国家とは,エスニシティとは何かを問う,壮大な試み.

内容説明

政治を揺るがすエスノ・ナショナリズムの波。チベット、モンゴル、トルキスタン…「統合」を危うくする辺境諸民族の闘いは、中国政治にいかなる変化をもたらすか。本書では、政治学、国際政治学の立場から中国に住む民族、エスニック・グループの政治的あり方を描き、分析している。

目次

第1章 清朝期・民国時代の辺境政策
第2章 現代中国の民族政策の核心
第3章 民族は作られる―民族識別と中華民族論
第4章 民族政策の軌跡―1950‐80年代
第5章 市場経済とエスノ・ナショナリズム―民族問題の現段階
第6章 内外モンゴル統合の試み―エスノ・ナショナリズムの諸相(1)
第7章 「東トルキスタン共和国」をめぐって―エスノ・ナショナリズムの諸相(2)
第8章 1959年チベット反乱考―エスノ・ナショナリズムの諸相(3)
終章 中国政治と民族問題―周縁から何が見えるか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とんこつ

5
20年近く前の本だが、基本構造を理解する上で今でも大いに役立つと感じた。一口に民族問題と言ってもその実相は多層的だ。中国の歴史の中心近くにいた民族と、山奥でひっそり暮らしていた民族も、建国後は一様に少数民族とされてしまうのだから。また、自決権の問題から民主主義の問題へと時代を経るごとにシフトしてきているとも著者は指摘する。そして何より、前近代において中央と緩やかな宗属関係を維持していた地域も、近代の国民国家に移るなかで摩擦が生じざるを得ない。中国がどれほど複雑な問題を抱えているのか垣間見ることができる。2019/06/02

けいた

3
第一章では清朝・民国期の民族政策を整理。現代中国で清朝が多民族国家の模範とされていることについて触れられている。高校世界史の教科書にも匂わせる書き方がされているが、毛里先生や加々美先生の研究成果が反映されているのかと類推。民国期の民族政策を「辺境を分断してチベットおよび外モンゴルを切り離す一方、その他を内地化して一元的な近代国家を作ることであった。国民党には辺境政策はあっても民族政策と言えるものはない」(28頁)というのは言い得て妙2020/04/12

まち

0
卒論用2010/01/11

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