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覘き小平次

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  • サイズ 新書判/ページ数 428p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784125008899
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

出版社内容情報

死んだように生きる幽霊役者と、生き乍ら死を望む女。押入襖の隙からの目筋と嫌悪で繋がる二人―京伝の名作怪談がいま、現代に甦る

内容説明

手前は陽炎の如く消えたくとも消えられず、無様に齢を重ねる廃者。薄膜一枚の紙風船。中はがらんどうで御座います―死んだように生きる幽霊役者と、生き乍ら死を望む女。襖戸の隙間からの目筋とこの上ない嫌悪とで繋がり続ける小平次とその妻・お塚。かれらを軸に語られるのは、生者たちの忿恚、悲歎、嗜慾、愛憎…当代随一の戯作者の手によって、山東京伝の名作怪談がいま、甦る。第16回山本周五郎賞受賞作品。

著者等紹介

京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
1963年、北海道小樽市生まれ。94年『姑獲鳥の夏』で作家デビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

akira

27
江戸怪談シリーズ第2段。 このシリーズは読ませる。ぐいぐいと引き込むようなものはないものの、じんわりと先が気になる。 何も話さず、何も反応しない。嫌われようが、罵倒されようが小平次は小平次のままそこにただ居るだけ。なんとも言えない不思議な空気感。その女房との不思議なまでのやり取りは、超越して愛すら感じる。 語りにより、なかったかもしれないものに血が通う。物語る人々のひとつの確信というか、決意を垣間見た気がした。 「お前が語ったからだよ。お前がお前の物語にした行為で、嘘でも法螺でも血が通ったぜ」2014/08/21

あここ

8
京極さんってホント事細かに登場人物の心情つづるよなぁ。。その人の深い深いところまでぐんぐん入ってく。自分がその人になった気分。ようこんなに言葉を尽くせるもんや・・テンポもいいから読みやすい入っていきやすい。そいでもホンマのところは分からへん。人の心は難しい。又市さ ぁぁん♪仕掛けただけかよ(笑)想定外のことは治平さんが収めてくれた。初め気持ち悪かった小平次さんがちょっとづつ厚みを持って、あぁ普通の人やん。ちょっと無口なだけで(笑)騙したり殺したりに比べたら。人ん家で殺し合うのやめて。お塚さん意外にかわいい2019/01/05

小瑠璃

7
京極作品って、もちろん怖い部分はあるし、どろどろしくもありますが、読み様によってはすごくかわいらしい場面があったり、痺れたり、ときめいたりもするんです。するんですけれども・・・・なんとまぁ、そんなこと微塵も感じさせないこの表紙。文庫版のほうも怖いですね~。小平次とお塚の関係は、特異だけど実は当人同士はけっこう幸せで意外と微笑ましいのかも、なんて考えていても、本を閉じ表紙が目に入ると、「いや、そんなことないわ。小平次イヤやわ」と思わずにいられません。事触れの治平が素敵でした、とまとめておきます。2013/10/28

自称海外小説で誰が誰だかわからなくなる君

6
これは元々ありものの作品を再解釈したものだったんですね。知らなかった。読んでも何の感情も出てきませんでした。どう思っていいかがわからなくて。2013/04/10

伊早鮮枯

4
ただ居るだけ。ただ在るだけ。だからこそじっとりとした怖さがあるのか。京極先生らしく、実体を持った幽霊や妖怪は出てこず、齟齬食い違いすれ違いの果ての怪談だった。今回又市さんは残念ながらほぼ名前だけの登場(笑) 結末は……あれ、人は死んだものの、いい具合に落ち着いたのでは?と思えるようなものだった。わたしにとっては、だけど。寡聞にして怪談小幡小平次は知らなかったのだが今度探してみようか。2013/05/03

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