出版社内容情報
あの「雪虫」の鳴沢了が警視庁にやってきた。再び現場に戻った鳴沢は何を見たのか。銃弾が削り取ったのは命だけではなかった。人の心の闇を描いた書き下ろし長編警察小説第二弾。
内容説明
故郷を捨てた男は、それでも刑事にしかなれなかった。警視庁多摩署で現場に戻った了は、刑事部屋で倦厭され孤立する美女刑事とコンビを組む。命じられたホームレス傷害事件に腐る二人だが、被害者の周囲にはなぜか公安の影が…。東京郊外の新興住宅地に潜む、過去の闇を暴けるのか?新警察小説。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年秋『8年』にて第13回小説すばる新人賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サム・ミイラ
161
結局今回も内輪で事件は解決してしまった。もしやと思う人物が犯人だったがどこか釈然としない。作為的に無理を感じるからか。こんな偶然も全くないとは云わないが、もし次もこういう話だったらと思うと読むのを迷う処ではある。まあ買ってるから読むけど。それにしても鳴沢君!あまりにも考えすぎというか重すぎやしないか?前回の反省から手を出すのだけは早くなったけれどもそれからがいかん!捜査も恋愛も人生も迷いっ放し。とにかく彼に付き合い疲れる一冊でした(笑)2015/08/26
つるちゃん0719
105
堂場さん初読みの作品。鳴沢は傷に傷を増やしてる様に感じた。2018/07/26
となりのトウシロウ
90
鳴沢了シリーズ第二弾。新潟県警を去り、それでも刑事を辞められず警視庁に採用され多摩署に赴任。コネ入庁と煙たがられ、任されたのがホームレスが襲われた事件。しかし被害者が居なくなっていて、周辺から捜査を始める。今回コンビを組むのが同じように冷遇されている小野寺冴。地味な事件の捜査の中で、了と冴のやり取りが非常に多く感じられ、過去を引き摺る了と冴が互いに通じるものもあって惹かれ合うという展開っているんかなぁ・・・かなり興醒め。ラストもちょっと。それでもこの後、鳴沢了がどうなっていくのかを知りたい気はする。2023/12/16
Tsuyoshi
71
鳴沢了シリーズ第2作。新潟県警を辞めたものの刑事にしかなれず警視庁多摩署に特別枠で採用された鳴沢が刑事課で孤立する女性刑事小野寺冴とコンビを組み与えられたホームレスの傷害事案。冴と恋愛に発展しながらもトラウマに囚われ踏み出せなかったり、信頼していた先輩とも壮絶なラストにより失ってしまう鳴沢。面白いけどスッキリしないなぁ。己に課した試練だとしてもこの展開は厳しい。次作以降でも似た展開が続くんだろうか。2018/09/29
choco
70
鳴沢了シリーズ2作目。なんなんだ。堂場瞬一。面白すぎる!1作目は意外な展開に驚かされ、次なるキーパーソンは誰なのか予測しながら、、、やっぱり!と、思いきや悲しい結末が待っていた。どれだけ自分を追い込むんだよー了。幸せになってもいいんだょ。そんなに沢山の罪を背負い込むなんて無理な、なんてストイックな男。でもこうしながらも了は生きていく。そしてまた次作、どんな展開になるのか待ち切れない。冴の気持ちも胸に突き刺さる。2016/10/01