中公新書ラクレ
台湾総統列伝―米中関係の裏面史

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  • サイズ 新書判/ページ数 308p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121501325
  • NDC分類 312.224
  • Cコード C1222

出版社内容情報

台湾は、1911年に建国された中華民国政府の実効統治下にある一地名であり「国家」ではない。その宿命を背負いながら、台湾は戦後“もう一つの中国”として、“大陸の中国”である中華人民共和国と微妙な距離を維持し、同時に米国の対中戦略におけるカードとして生き残りの可能性を見出してきた。反中国と親中国、反米と親米、独立と現状維持。米中のはざまで翻弄される台湾の姿を、歴代総統の人間像と政治手法から活写した台湾在住のジャーナリスト、渾身のデビュー作。

内容説明

「もう一つの中国」として「大陸の中国」との微妙な関係を維持しつつ、アメリカとの対中戦略のカードとしての生き残りを選んだ「台湾」の戦後史を、歴代総統の実像を通して鮮烈に描く。

目次

第1章 「台湾」を創った初代総統・蒋介石(第1~5代総統)(毛沢東と並ぶ二十世紀の巨星;台湾との出会い ほか)
第2章 リベラルな独裁者・蒋経国(第6~7代総統)(最も評価の高い総統;「同志ニコラ」のソ連経験 ほか)
第3章 ミスター・デモクラシーの光と影・李登輝(第8~9代総統)(「台湾の国父」を志す史上初の「台湾人総統」;植民地・台湾に生を受けて ほか)
第4章 「台湾の子」の理想と現実・陳水扁(第10~11代総統)(初の政権交代を実現した「台湾の子」;「貧農の子」に生まれて ほか)
第5章 歪められた台湾像―日米中の狭間で(戦後台湾のポジションを形作る米中の思惑;「対中カード」としての台湾 ほか)

著者等紹介

本田善彦[ホンダヨシヒコ]
1966年神戸市生まれ。91年以降台北在住。台湾・中国広播公司(BCC中国ラジオ放送社)の国際放送「自由中国之声」記者兼アナウンサーなどを経て、現在、フリージャーナリストとして活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジュンジュン

9
国共内戦に敗れて、台湾に緊急着陸した国民党政権から50有余年。統一も独立もしない道を一貫して歩みながら、民主化を成し遂げた歴史を、歴代総統(蒋介石から陳水扁まで)で振り返る。+台湾アイデンティティーの考察(第五章)。一読して感じたのは、「台湾人意識」の正体こそが、著者が最も伝えたかったところではないだろうか?2021/01/15

おらひらお

6
2004年初版。総統=大統領を通じてみる台湾の戦後。最近は中国の台頭でやや影が薄くなりつつありますが、この本1冊で50年ほどの歴史を概観できます。李登輝や以徳報怨など、日本でもたれているイメージと現実の差がうまく紹介されています。2011/11/21

活字の旅遊人

4
蒋経国の変化、を深めてみたいんだよなー

佐藤丈宗

3
現在版切。古書店で購入。蒋介石から陳水扁再選までの約半世紀の台湾史を概観できる好著。台湾で最も尊敬を集める蒋経国が、日本では最も印象が弱い総統であるなど、日本に根付く台湾観が一面的で偏ったものであることがよくわかる。統一か独立か、自分たちは中国人なのか台湾人なのか。アメリカと中国の狭間で、時に翻弄され、時にその間隙を突いたり、したたかに立ち回ってきた台湾の姿。10年以上前に出版された本だが、今読んでも台湾のもつ歴史と一筋縄でないアイデンティティを感じることができる。2017/05/02

たす

2
蒋介石と李登輝に挟まれイメージの薄かった蒋経国。歴代総統の中で一番評価が高いとの調査結果もあり、彼についての章は興味深い。最終章では日本の「親日」台湾に終始する台湾観に一石を投じており、植民地支配だけでなく戦後状況まで踏まえている点で、他の台湾関連の文献とは少し違った印象を受けた。2011/12/12

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