中公新書<br> 日本の海から魚が消える―温暖化、IUUの問題から陸上養殖の挑戦まで

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中公新書
日本の海から魚が消える―温暖化、IUUの問題から陸上養殖の挑戦まで

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121029287
  • NDC分類 663.6
  • Cコード C1245

出版社内容情報

サンマやマグロ、クルマエビ、アサリ、ウナギなど日々の食卓に並ぶ魚介類が日本近海で激減している。
原因は二酸化炭素増加による水温上昇や海洋酸性化に加えて、違法、無規制に行われる乱獲・密漁だ。
多様な生物で溢れていた日本の海が直面する危機に対して、どのような解決策があるのか。

環境改善につながるクジラの保護や世界各国の資源回復の取り組み、さらには著者自身が試みる陸上養殖などから様々な可能性を示す。


【目次】

はじめに――豊かな海はどこへ消えたのか

第1章 危機に陥る日本の海
漁獲量の急速な低下/サンマはなぜ不漁になったのか/韓国、台湾、中国の漁/サケの記録的な不漁/スルメイカ幼生の死/アニサキス食中毒の多発/サンゴの白化/ズワイガニ不漁と海氷の溶解/哺乳類最長寿のホッキョククジラと海氷の溶解/がんにならない理由/クルマエビと干潟の埋め立て/GHQと漁業協同組合/クロダイによる養殖海苔の食害

第2章 今なぜ温暖化と酸性化が起きているのか
二酸化炭素の大量排出/二酸化炭素の収支の内訳/海洋の役割/日本近海の現状/魚介類の生息場所の変化/溶解度の低下

第3章 生物に悪影響を及ぼす酸性化
魚の呼吸運動/魚を酩酊状態にする気体/テッポウエビのスナップ音/二酸化炭素増加の影響が大きい生物/真珠の溶解/海水の酸性化とアオリイカ

第4章 乱獲・密漁と食文化
乱獲と密漁が続く五つの理由/クロマグロ漁業の違反、無報告、無規制/産卵前の成魚の漁獲/カツオの漁獲量の緩やかな減少/美を追求する人間と深海ザメ/肝油の溜め込みと浮力/乱獲の影響を受けやすい生き物/アサリが棲む干潟の減少とエイの増加/アサリ産地偽装問題/サメにまつわる誤解/アワビの現在/海女文化の衰退/ニホンウナギの危機/養殖への挑戦/謎に包まれた生態/増えるマイワシとブリ/不規則に現れるモジャコ/マイワシに追いやられるサバ/ハタハタと食文化/ズワイガニを救え

第5章 クジラは温暖化を止める
クジラの分類と食性/なぜ巨大化したのか/海の恐竜モササウルスの絶滅/優れた潜水能力/哺乳類がなぜ深海へ潜水できるか/地球規模の回遊/回遊を促すシャチ/海氷を利用するホッキョククジラ/20世紀の集中捕獲/植物プランクトンの吸収力/二酸化炭素の削減につながる潜水?/クジラは増えているか/目視調査/クジラの見分け方/マッコウクジラの潜り方

第6章 各国の資源復活の施策
ノルウェー――GPSで漁船の位置を把握/アイスランド ――臨機応変な漁場の閉鎖/オーストラリア――国による直接管理/ニュージーランド――漁場制限と報告義務/米国 ――資源調査と迅速な禁漁/日本――漁獲量の割り当て/漁業法改正/取締船と無線傍受/国連公海条約/世界の漁獲量と現存量/密漁の実態と対策/シーフード・ウォッチ/海の森作り/アマモの特性と重要性/日本企業のブルーカーボン活動/酸性化の抑制に働く海藻/激減したクルマエビの遺伝子保存

第7章 陸上養殖に向けての道筋
陸上養殖の現状とメリット/実現のために何が必要か/雇用を生み地方の活性化に寄与/養殖する魚介類の種類/大豆粕を利用したクルマエビ配合飼料/ティラピアの飼育水を利用したレタスの水耕栽培/海産エビの飼育海水を利用したトマトの水耕栽培/巨大魚タマカイ稚魚の飼育

第8章 人工海水の開発と持続可能な養殖技術
飼育水無交換の必要性/安価な人工海水の開発/エビの産卵誘発

内容説明

サンマやマグロ、クルマエビ、アサリ、ウナギなど日々の食卓に並ぶ魚介類が日本近海で激減している。原因は二酸化炭素増加による水温上昇や海洋酸性化に加えて、違法、無規制に行われる乱獲・密漁だ。多様な生物で溢れていた日本の海が直面する危機に対して、どのような解決策があるのか。環境改善につながるクジラの保護や世界各国の資源回復の取り組み、さらには著者自身が試みる陸上養殖などから様々な可能性を示す。

目次

第1章 危機に陥る日本の海
第2章 今なぜ温暖化と酸性化が起きているのか
第3章 生物に悪影響を及ぼす酸性化
第4章 乱獲・密漁と食文化
第5章 クジラは温暖化を止める
第6章 各国の資源復活の施策
第7章 陸上養殖に向けての道筋
第8章 人工海水の開発と持続可能な養殖技術

著者等紹介

矢野勲[ヤノイサオ]
1943年大分県生まれ。65年農林省水産大学校卒業、72年北海道大学大学院水産学研究科博士課程修了。博士(水産学)。農林省水産庁真珠研究所研究員、海洋研究所(米国)訪問研究員、農林水産省水産庁養殖研究所室長、福井県立大学海洋生物資源学科教授等を経て、同大学名誉教授。専攻は海洋動物培養学、動物生理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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61
著者はベテランの水産研究者。最近漁獲量が激減している魚種それぞれについての原因を解説しているが、そのベースにあるのはやはり乱獲。要因として、日本が漁業者に対してあまり規制してこなかったこととか。おそらく政治的要因もある(そのことには触れられていない)が、加えて公海上の中国・韓国などの需要増加に伴う漁獲量増大もあるようで、漁業規制先進国の事例を引きながら、一刻も早い規制が必要としている。短期的利益増大が長期的には大きな損失になる好例だ。また、陸上養殖にも目を向け、著者自身がクルマエビの養殖に挑戦している。2026/10/04

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