中公新書<br> 自衛隊の誕生―日本の再軍備とアメリカ

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中公新書
自衛隊の誕生―日本の再軍備とアメリカ

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  • サイズ 新書判/ページ数 274p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121017758
  • NDC分類 392.1
  • Cコード C1231

出版社内容情報

今年は、自衛隊が誕生して五〇年にあたる。陸上、海上、航空のそれぞれに異なった成立事情を、アメリカの公文書から丁寧に検証する。

内容説明

一九五四年に自衛隊が生まれて五〇年が経過したが、警察予備隊の発足から陸海空の三自衛隊として陣容が整うまでには、さまざまな曲折があった。旧陸海軍将校をどう活用するかなど、アメリカの中でも意見の統一を計りがたいことが多く、日本政府との交渉も困難を極めた。本書は、ワシントンの公文書館で公開が始まった資料をもとに、政治と社会、そして軍事と多岐にわたる自衛隊誕生の歴史的経過を明らかにするものである。

目次

序 自衛隊はどのように誕生したか
第1部 陸上自衛隊の誕生(警察予備隊と民事局別館(CASA)
保安隊と在日保安顧問部(SASJ)
保安隊と在日保安顧問団(SAGJ)
陸上自衛隊の誕生と在日軍事援助顧問団(MAAGJ))
第2部 海上自衛隊の誕生(旧日本海軍関係者による日本海軍再建計画;Y委員会と海上警備隊の創設;海上自衛隊の誕生と米海軍の役割)
第3部 航空自衛隊の誕生(日本の航空部隊創設計画の開始;米空軍当局による日本“独立”空軍の創設構想;日本“独立”空軍創設に関する日米両国の一体化;航空自衛隊の誕生と米空軍の役割)
おわりに 陸・海・空三自衛隊の違いはどこにあるか

著者等紹介

増田弘[マスダヒロシ]
1947(昭和22)年、神奈川県に生まれる。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。同大学院法学研究科(政治学)博士課程修了。琉球大学法文学部助教授を経て、東洋英和女学院大学国際社会学部教授。日本政治外交史専攻。著書に『石橋湛山研究―「小日本主義者」の国際認識』(1990年、東洋経済新報社、石橋湛山賞)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

coolflat

15
自衛隊における陸・海・空それぞれの異なる成立事情。陸自は米軍主導、海自は旧日本海軍関係者主導、空自は旧日本陸軍航空関係者と米空軍当局との共同合作。まず陸自に関しては、終始一貫して「米軍事顧問団」が編成・訓練・装備・統制など指導ないし監督。空自に関しては、従来、“陸”中心の日本再軍備計画方針を堅持してきた米軍中枢部が、ソ連の対日侵攻、つまり北海道への侵攻が「陸上作戦」から「空襲作戦」へと変更されたことから、バランスの取れた“陸・海・空”の三軍による日本軍備の再編へと転換、陸・海から分離した単独の空軍を構想。2015/10/01

ジュンジュン

7
良し悪しは別にして、本書の魅力は、陸海空、三つの自衛隊誕生の過程を、アメリカ側文献を用いて丹念に跡付ける点。反面、弱点(僕的)も同じ。丹念ゆえ、記述に重複箇所も多く、読むのが煩わしい。依拠する史料がアメリカ側によりすぎている。2021/07/15

おらひらお

4
2004年初版。日本敗戦後から自衛隊再建までの話。陸上・航空・海上自衛隊それぞれ成立の経緯が異なるのが興味深い。また、アメリカ高官が日本の自衛意識が低すぎることを指摘していたことも面白い。いまも、在日米軍を否定しつつ、自衛意識も低い状態は続いていますね・・・。2011/08/06

わび

2
米側公文書を利用し、1950年の警察予備隊発足から54年の自衛隊の誕生に至るまでを追う。3部構成のそれぞれで陸海空の三自衛隊の創設過程が描かれ、著者の強調する「米側が終始主導する陸、旧軍人が主導した海、日米合作の産物である空」という対比は非常に明確なのだが、裏返しとして重なる記述が目立ち、読んでいてややじれったい印象もある。一方で、51年末-52年の米軍部の陸上部隊重視からの脱却が再軍備の画期として位置付けられているが、この方針転換の背景については軍事戦略や国際情勢の面からもう少し記述の欲しかった所。2020/06/29

artillery203

2
帯のとおり。それぞれの成立過程から見えてくる本質。それは現在まで尾を引いてるのがよくわかる。さらっと自衛隊が誕生するまでを知りたい人にはお勧め2012/01/03

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