内容説明
野球がアメリカで十九世紀中葉に生まれて以来、基本的に白心と黒人とが共にプレーをすることはなかった。そのため、一八八五年には黒人だけのプロ野球チームが誕生し、その後その数は激増、ニグロ・リーグを結成して、白人大リーグに勝るとも劣らない実力と人気をかち得るに到った。本書は、その黎明期から、大リーグへの黒人参加が認められて黒人野球がその独自のパワーを失ってゆくまでの、苦しくも爽快な一世紀を綴るものである。
目次
1 ニグロ・リーグとは
2 ベースボールの普及と黒人
3 ルーブ・フォスターとニグロ・ナショナル・リーグ
4 ニグロ・リーグの浮沈
5 グレイズの擡頭
6 ガス・グリンリーとクロフォーズ
7 サチェル・ペイジ
8 クロフォーズ頂点へ
9 その他のクロフォーズの選手たち
10 黒人野球界の女王エファ・マンリー
11 来日していたニグロ・リーガーたち
12 優しかった黒人チーム
13 巡業
14 クロフォーズの衰退
15 動乱のニグロ・リーグ
16 ジャッキー・ロビンソン
17 ニグロ・リーグの衰退
18 砂塵の中で
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
牧神の午後
16
アメリカって言う国は本当に卑怯なところがあって、俺達こそがNo1な誇り故に自分たちに都合の悪いところはひた隠しにする。その代表的なものが近年再評価されているニグロ・リーグ。そう、ジャッキー・ロビンソン、背番号42、黒人初めての大リーガー以前に活躍したもう一つの大リーグ。堂場さんの本で知った登場人物達を含めたその実像はやはり伝説的で、時代背景の問題は合っても、こんな魅力的な野球の物語が知られていないことは野球史の損失だと思える。そしてこのニグロ・リーグの選手達が日本で親善試合をしたという事実。ムッチャ面白い2014/04/29
印度 洋一郎
6
かつてアメリカの野球界に黒人が入れなかった時代、独自に活動したニグロ・リーグの歴史を辿る、アメリカ野球の裏面。ニグロ・リーグは厳しい経営状況やアメリカ社会の中の厳しい差別等色々な問題を抱えながら、20世紀前半に隆盛を極めた。恐らく、その実力は白人達の大リーグをも凌駕するものだったと思われる。そして、ショーマンシップとエンターテインメント性豊かな巡業風景や、日本への遠征で見せた微笑ましい日米野球のもう一つの交歓の歴史、サッチェル・ペイジやジョシュ・ギブソンといった伝説的選手の群像等読みどころが多い。2016/12/24
naoto
3
「誌上最高の投手は誰か」とともに、何度も読んだ本。自分のニグロリーグ知識の基礎を作った本。サッチェル・ペイジ、ジョシュ・ギブソン、クール・パバ・ベル、テッド・ラドクリフ、スモーキー・ジョー・ウィリアムズ…名前書いてるだけで楽しい。ニグロリーグの殿堂に行きたい。2021/11/05
イチゴタルト
2
ニグロリーガーが日本に来日して日本の野球チームと試合をしていたこと。ジョシュ・ギブソンやペイジなどの選手は海外に移籍していたこと。白人女性(黒人と混ざりながら生活していた)が経営に関わっていたこと。ジャッキー・ロビンソンは無名だったことなどなど書かれていて、勉強になった。2017/08/09
渋谷英男
1
ニグロ・リーグについての入門書だ。☆2.52025/05/02