感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
35
面白い。その時代文字を持たない倭国の歴史を隣国の中国や朝鮮などの史書から読み解く方法で進められている。後に作られる『日本書紀』にもその記述はあるが、神話や伝承という時代の為、よく分かりにくい部分も多いが、そんな分かりにくい部分を東アジア全体から、分かりやすく著者の歯切れのいい文書で解説してくれている。2024/01/30
to boy
24
古代日本史を学びたくて読了。1977年初版ですがなかなか切れ味のいい内容で嬉しくなりました。前半はほとんど中国、朝鮮半島の歴史を簡素にわかりやすく記載されていて、その中から当時の日本の状況を垣間見るという手法。「日本書紀」の内容を真に受けてあれこれ詮索することの愚を主張。強大国唐の誕生と倭国と敵対していた新羅による朝鮮統一という出来事を受けて「倭人と華僑が雑多な集団を形成し日本各地に散在していては唐や新羅に太刀打ちできないという思いが日本と日本語を生んだという見解に驚きながら新鮮な思いでした。2020/12/15
サケ太
16
非常に興味深い。古代日本史を語る上では、古代中国史、朝鮮史を語らなければならない。半分はその内容だが、倭国というものがどのように作られてきたか。東アジアでの泰一はどのようなものだったか。ひと昔前の書籍だが、色々とバッサリ語ってて面白い。日本という国のアイデンティティを獲得するための「日本書紀」。日本語という言語の始まりについて言及しているのも良い。現在では更新されている部分も多いだろうと思うので、他の書籍も読んでいきたい。2021/07/28
fseigojp
16
中国文明の歴史を読んでからだったので、よくわかった2019/10/06
獺祭魚の食客@鯨鯢
15
岡田氏は日本という国を作ったのは古代の「華僑」であると述べています。天皇家の先祖も、大陸からの渡来してきた集団の末裔かもしれませんが、好奇心旺盛な精神や集団的な行動様式、アニミズム的感覚など「和」=「倭」風な特質は、日本列島の気候や自然風土によって育まれたものだと思います。独自の文明はなく「雑種文化」と揶揄されることもありますが、古代の華僑が渡来人として先進文化をもたらし、南蛮人や明治のお雇い外国人から得た文明のエキスを列島に土着する「倭人」が血肉化した努力した結果、今日の繁栄があるのだと思います。2018/01/02