内容説明
アルゼンチンの寒村に私生児として生まれ、大統領夫人にまで駆け上がったエビータ。貧しい労働者階級に救済の手をさしのべる一方、ファシズムに傾斜するペロン政権、そのシンボルとなった彼女は大統領をはるかに上回る熱狂的支持のなか、33歳で急逝する。ナチの財宝は彼女の手にわたったのか。同国人が初めて描きだすエビータの真実。
目次
第1章 私生児
第2章 女優
第3章 愛人
第4章 認知
第5章 妻
第6章 使者
第7章 設立者
第8章 辞任
第9章 殉教者、ミイラ、聖人そして老婆
著者等紹介
オルティス,アリシア・ドゥジョブネ[オルティス,アリシアドゥジョブネ][Ortiz,Alicia Dujovne]
ブエノスアイレス生れ。1978年に渡仏し、作家、脚本家、ジャーナリストとして活躍を続けている
竹沢哲[タケザワサトシ]
東京生まれ。上智大学ポルトガル語学科を卒業したのち、85年から93年までポルトガルのコインブラ大学およびスペインのバルセロナ大学で学ぶ。93年帰国後、サッカー関係の取材の多く手がけ、雑誌『ナンバー』などに掲載
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感想・レビュー
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種蔵珪也
1
劇団四季のエビータを見に行くけどエビータって誰?という状態だったので基礎知識つける用。読み心地小説っぽかった。何でもない少女から大統領夫人まで登り詰めて、死後ミイラにされるまで、この短期間でエビータはアルゼンチンの象徴となったのだろう。金銭感覚はまぁ、だめそうだけど、国民を思う気持ちは真剣そのものだからこそ救われた国民も迸りすぎた感はあるにしろエビータに応えたのではないだろうか。2019/10/14
wei xian tiang
1
仏文系の文章にありがちな、メタファーと事実表現を交互に使うような修辞が多くて読みにくいことこの上ない。ペロニスモを読んでいくと、どうしても思い当たるのはタイのタクシン時代である。無力かつ無視されていた階層の政治的動員と、バラマキから必然的にもたらされる財政危機、その後も長く後を引く不安定。2018/11/11
どんぐり
0
独裁者であるペロンと彼を支える妻のエビータ、アルゼンチンという国の歴史を知るのにこの2人は避けて通れない。本書はエビータの実像に迫るものであるが、読み手が関心をもっていないと、読書は苦痛を覚えるだけに終わってしまうだろう。エビータが病気で亡くなったあと、遺体は防腐処理してミイラ化された史実の記述は興味深かった。2012/01/26
どんぐり
0
独裁者であるペロンと彼を支える妻のエビータ、アルゼンチンという国の歴史を知るのにこの2人は避けて通れない。本書はエビータの実像に迫るものであるが、読み手が関心をもっていないと、読書は苦痛を覚えるだけに終わってしまうだろう。エビータが病気で亡くなったあと、遺体は防腐処理してミイラ化された史実の記述は興味深かった。2012/01/26