内容説明
能楽堂の感動までも鮮やかに再現する画期的注釈が、珠玉の詞章のあふれる泉―謡曲の世界へ華麗に誘う。野宮・舟弁慶など35曲を収め、全百曲ついに完結。
感想・レビュー
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fseigojp
17
読んで謡えるようになりたい 歳のせいか2016/09/16
rou
4
橋本雅邦「三井寺」を見て、三井寺のみ。雅邦の日本画では謡曲の狂女の鐘に身を任せている場を震撼とさせる絵に変えている。失ったという子を抱き、目は郷里の月を幻視し、足元は鼻緒を切らして乱れている。謡曲を読めばしかし狂ったのは詩によるという。能は風狂と古物語の二重の構成からなる。祝祭性は能のいわば箱でありそこから出ていくことはない。合理的に風狂と物語の落としどころを融合させる必要はない。祝祭的なエンディングに至るまでに、舞台の世界ではもてる夢幻の世界をハイコンテキストな言葉の世界で重層的に表現する。2013/11/23