内容説明
「社会的正義」や「分配の正義」なる言葉は空虚だ。市場における正義とは、取引に不正がない状態を意味するだけである。この前提に立ちつつ、裁判所や警察の民営化、麻薬や売買春の解禁、人工授精やクローン人間に対する新ルール構築など、社会のコストを節約しながら、いかに犯罪を防止し正義を維持するかを考察し、未来像として究極の“自由主義社会”を示す。
目次
第1章 正義とは何か
第2章 正義回復の経済学
第3章 国家と正義―罪と罰の経済学
第4章 人権と責任の経済学
第5章 犯罪抑止の経済学
第6章 死刑廃止の経済学
第7章 裁判の経済学
第8章 取引禁止の経済学
第9章 生命倫理と新しいルール
第10章 戦争と正義の経済学
第11章 結論―「自由社会」への道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中島直人
3
全てを基本的には市場取引に委ねるべきとする古典主義的な議論。クローン人間にまで話が及ぶと流石に極論ではと違和感を感じざるを得ない。が、こと日本の現実、余りに部分的なパターナリズムと身勝手な平等主義がはびこり過ぎる姿を鑑みると、作者のような主張も必要ではと感じざるを得ない。2013/12/16
hwconsa1219
0
途中、若干違和感のある書き振りがあった(第6章)が、読み物としては楽しく読めました。自己決定と自己責任が最大化された社会。今後の目指す方向としては理想的かもしれない。2011/11/03
muny
0
30年越しの積読書。読了2024/02/24