感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiha
32
『噓つきアーニャ…』(米原万里)を読み終えて、読み直したくなった本書。米原万里自身も20部ずつ買い込んで、友人知人に配ったのだそうな。「5民族が住み4つの言語があり3つの宗教があり、ラテン文字とキリル文字が使われてい」たユーゴスラビアの複雑さは、再再読でも分かりづらいが、もともと火種を孕んでいた上に、ドイツとソ連に挟まれて、双方の支配や抑圧に翻弄され、内戦を引き起こしたのだと思う。本書で描かれるのは、1941年ドイツの侵攻により、平和な村が破壊されたところから。まだ少年少女だったクリロとフィーの苦難…。 2021/08/15
bb
8
ユーゴスラビアで、ドイツの侵攻により日常が奪われる。戦争に翻弄される少年。パルチザンとか。雰囲気はややジブリ的。複数のエスニシティなんて、もろに「虹色のトロツキー」の五族共和じゃん、と思ったら、掲載誌も著者の出自(アニメーター出身?)も同じだった。何か関係あるのかな?(一応内容的には、今作では民族間の対立を煽ったりガス室とかもあるので、虹色~に見られる複数のアジア民族の統合を目指した状況とは違うのかも。)久々に、流行や惰性とは独立した面白そうな漫画に出会えた。外食中に手に取っただけなので、早く通読したい!2015/01/23
とまと
7
第二次世界大戦時のユーゴを舞台に、戦争について問う漫画。5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、という複雑な国に、ナチスドイツが侵攻する。帝国主義の争い、イデオロギーの対立、民族紛争が絡んだ複雑な戦争へ発展する。全5巻。高校生のとき、民族紛争についていまいち分からなかったのだが、入門としてこういう漫画を読みたかった。熊本県立図書館より取り寄せた。2013/04/09