『吾輩は猫である』殺人事件

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『吾輩は猫である』殺人事件

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  • サイズ A5判/ページ数 506p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784106006579
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0393

内容説明

『猫』の最後で死んだはずが、目覚めたらなぜか上海にいた「吾輩」。そこへ飛び込んだ、なんと苦沙弥先生殺害の報、そして犯人はこの街に。個性的な猫たちが、上海の街を縦横無尽に駆け回って事件解決に大活躍、『猫』でお馴染みの登場人物も総出演。漱石文体を駆使した書下ろし一千枚、“純文学”をぶっ飛ばす奇想天外の冒険ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

棕櫚木庵

24
死んだはずのあの猫が上海にいたという設定から始まる続篇.元祖『猫』のパスティーシュとしてよくできていることに驚嘆.単に言葉遣いや文章だけでなく,話の運びがよく似ているし,さらに他の漱石作品も参照されていて・・・と,思いながら読み進めるとだんだんシャーロキアン的な面白さが出てきて,なんて言っているうちに,猫のホームズやらモリアーティも登場.さらに,謎解きの面白さが次第に時間旅行というSF的な話になり,最後はタイムトラベル・パラドクスで終わる.面白かったけど,チト詰め込み過ぎのような・・・.→2022/05/23

風に吹かれて

20
 気がつくと「吾輩」は船の中。船から逃げ出すと、そこは上海。偶然、苦沙弥先生が殺害されたことを知る。 事件解明を担う猫軍団。吾輩、虎、伯爵 将軍、ホームズ(ワトソンのお伴付き)などなど。寒月迷亭東風などのほか三毛子も登場。オールスター揃い踏みで良質の新春特別長編ドラマをTⅤで楽しんでいるかのように読める。 漱石愛たっぷりの小説。漱石を読んでいれば読んでいるほど楽しめる。必読書はもちろん『吾輩は猫である』である。重要参考文献は、『夢十夜』。 →2022/12/13

星野

6
いやこれ・・・文体やらパロディやらは面白いし純粋に凄いなとは思うんだけれども、如何せん時間・・・かかりすぎたー!京極先生の豆腐と張るぐらいかかったわ(笑)^^我輩は猫である、を未読の状態で読んだのは勿体無かったかも。キャラの濃い猫たちがなにやら議論を交わしつつ物語が展開していくので、夏目漱石は勿論、猫好きには嬉しい一冊なはず。ただし、長い。2011/11/03

でりら

4
予め漱石を復習してから望んだ甲斐があって、実に楽しいひとときだった。途中から現代仮名遣いになるのかと思いきや、最後まで漱石節で旧仮名で通しきるあたり、そのこだわりと熱意はすごい。どの猫も愛らしくひきつけられる。他の長編に比べ、ぐっと読みやすいこともあって、最後まで読んでしまうとつい最初へ戻りたくなる。装丁も実に美しい。こだわりぬいた1冊。2011/09/10

タマサブロウ

3
水瓶に落ちて死んだと思ったら、なぜか上海行きの船の中で目を覚ました名無し君。偶然見かけた日本語新聞で、かつての飼い主が殺害されたことを知る。その密室殺人の謎を、上海で知り合った猫たちが推理合戦するというお話。事件はちょうど名無し君が水瓶に落ちた日、ということで、まず名無し君が飼い主宅に住み着いてからその日までのことを語る。いわゆる『吾輩は猫である』が語られ、それをもとに仏蘭西の伯爵とか、独逸の将軍とか、上海の虎とか、英吉利の某名探偵の飼い猫とかが推理するわけで。『吾輩~』の裏には、こんな秘密が!?2010/10/30

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