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アトランティスのこころ〈下〉

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  • サイズ A5判/ページ数 318p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784105019082
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

1966年、ギャンブルが熱病のように流行し、学生運動の嵐が吹き荒れる大学時代が幕を明け、新入生ビートはひとりの少女に出会う。時はうつって1983年、NYの路上には変装を繰り返し、名前を何度も変えながら出勤するヴェトナム帰りの男が佇んでいた。そして1999年、彼らの生を知ることもなく、ひとりの男が渋滞中の車の中で息絶える―襲いくる、濃密なヴェトナムの影のなかで。絡み合い、もつれ合いながら紡がれるそれぞれの生が、40年という時を経て、感動のクライマックスへと解きほぐされていく。時代を弔い、残酷なまでに切なく時間の刻印を描き出すキング渾身の大作、ここに閉幕。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

志田健治

12
スティーヴン・キングの本を読めて幸せだなあとしみじみ思います。下巻に入ってから気づいたのですが、この本はオムニバス形式だったのですね。いきなりの先制パンチ。ボビーやテッドたちのその後が気になっていたのですが、これには巨匠の意図があるはずと第二章を読み始めると、これがまたハマってしまいました。まさにアメリカ青春文学じゃないですか!私自身の大学もこういう感じだったな、とノスタルジーに満たされました。アトランティスのこころ、その意味を静かに理解し、最終章は切なくも幸せに満ち、まるで交響曲のような物語でした。2017/06/07

art_mr

3
冒頭は1966年のメイン州立大学、新入生のピートはハーツ中毒に嵌りながらも、親友と協力しながら離脱する。その時惚れた女の子はキャロル…キャロルは反戦運動にその身を巻き込んでいく…1983年のNY、別人に変装しながら路頭に立つビルことウィリー‥ベトナムでの戦争が語られる。1999年、渋滞の中でサリーは突然死で息を引きとる…過去とベトナム戦争での一幕…そして最後のラスト。ここまで読んできた読者も長い長い年月を経てきたような気になる。60年代の曲や雰囲気がわかればなお良いのかも。2023/09/17

びぎR

3
『1966年、メイン州立大学の新入生ピートは学業そっちのけでハーツ(トランプ賭博)にのめり込む/アトランティスのハーツ』上巻の登場人物が少し登場する中編4編。こちらはダーク・タワー色は薄く、ベトナム戦争がメインテーマ。タイトルの「こころ」がトランプのハーツのダブルミーニングというのが面白い。この「ハーツ」が気になったのでブラウザゲームでやってみたけど面白みはよく解らなかった。ベトナム戦争がアメリカ社会に与えた傷の深さがよくわかる。その傷は今なお癒えず、アメリカ合衆国の行動に影響を与えてる気がする。2020/05/19

ゆきぼっくり

3
あれ?中巻を読み飛ばしちゃったかな?と思うほど、上巻とはガラリと雰囲気が変わる。盲いのウィリーが飛び抜けて面白かったけど、悪徳警官との対決の行方が激しく気になる。夜も眠れないって程じゃないけど。2018/11/21

よし

3
ボビー・キャロル・サリー達はどうなっていくのか、わくわくしながら下巻に入った。でも、予想外の展開で戸惑い、作品世界に入り込むことが難しかった。60年代学生紛争が吹き荒れる中、主人公達はギャンブルにのめり込んでいく。そこに、キャロルが現れる。さらに、時は90年代。ベトナムの苦悩を引きずっているサリー。だんだん手に汗握る危険な展開。そして、最終章へ。読んでいくにつれ、息をしなくなっている自分に気づく。今まで脈絡が無くばらばらだと思っていた物語が、一気に時を越え、完結していく。見事なまで美しい感動が待っていた。2013/12/09

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