新潮文庫<br> 郵便配達は二度ベルを鳴らす (改版)

新潮文庫
郵便配達は二度ベルを鳴らす (改版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 204p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102142011
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

277
1934年の作品。発表年度にこだわるのは、この小説がカミュの『異邦人』(1942年)を思わせるからだ。物語の主人公でもあり、語り手でもあるニックは、ムルソーほどにニヒルでも諦観的でもないのだが、それでもどこかに通底性を感じるのである。漂泊する男、ニックと定着を企ろうとする女、コーラ。物語の構造はきわめて単純だ。また、その分強固でもある。そして、プロットを引っ張るスピードも力もある。また、カリフォルニアの乾いた風土感もハードボイルドなムードにピッタリだ。そして読後は「あはれ」な感情に支配されることになる。2015/08/10

ケイ

121
家にやって来た男が妻と情事を重ね、邪魔な夫を殺し、破滅していく話…という予想通りの展開。よくある陳腐なストーリーであるはずなのに、若くてキレイで教養のない女の、年上で脂ぎった夫に嫌悪感を抱きながらハイウェイ沿いのガソリンスタンド&ダイナーで暮らしすしかない日常へ、魅力的でちょっと悪い男が飛び込んできた時の様子が、とてもいい。そして、犯罪を犯す者の滑稽さ、猜疑心、後悔などが、意外な形で描かれている。最後の数行の独白は、人気のない暑い砂漠のハイウェイを思い出させる。これはハードボイルドだな。 2015/05/14

NAO

47
アメリカの郵便配達は、二度ベルを鳴らすことで、「来客ではなく報を持ってきたのだ」と家の者に知らせるのだそうだ。この作品には郵便配達は登場しないが、この「二度」が、象徴的・暗示的に何度も繰り返される。一度出て行き、また戻ってきたことで計画を成就させたフランク。故意の事故と偶然の事故。その二つの事故現場にいたフランクは二度裁かれ、二度目の裁きが決定的なものとなる。ニックの前に二度現れたフランクは、死神だったのか。では、フランクに対して二度目のベルを鳴らしたのは、誰だったのだろう。2015/11/24

ω

43
ガーディアン必読のリスト見てたら「あ、これ持ってるわ」ということでサクッと読了ω ハードボイルド小説だけど展開がおもろい。「愛は、そのなかに恐怖がはいりこむと愛じゃなくなるんだ。それは憎しみなんだ」など、主人公がイケメンを気どってるけど最後まで全然好きにならんww そして郵便配達は一度も来ません!!笑2021/06/01

Mishima

43
女は美しくまだ十分若かったが、もはや諦めという倦怠が彼女を巣食っていた。アメリカの西の果てのような場所にあるサンドイッチ食堂。そこで小金持ちのギリシア人と暮らす。男は道端で目に付いた猫を拾ったみたいな気分でいた。猫は料理が賄えて、店は暮らせるほどにはまわっていた。そこにならず者のフランクが登場。役者はそろった。女の描きぶりが実にいい。「フランク」と彼女はならず者を何度も呼ぶ。会話の端々で呼びかける。裏切られた時も去っていこうとする時も、そして愛しいときも。ハードボイルドはセリフが重要だ、と実感する。2015/06/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/360037

ご注意
リンク先のウェブサイトは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
リンク先のウェブサイトについては、「株式会社トリスタ」にご確認ください。