内容説明
貧民窟の一角に生まれたブラームスが、シューマンの熱烈な賛辞によって一躍有名となり、ドイツ音楽の巨匠としての名声を得るまでの64年の生涯。ワーグナー派との対立抗争、作品の生成過程、シューマン夫人クララをはじめとする多くの女性たちとの交渉など、さまざまな角度からブラームスの人間と芸術を描く。若杉弘、堀米ゆず子、K・ライスターら9人の音楽家のコラムを収録。
目次
秋のソナタ
港町ハンブルクにて
若きヴィルトゥオーソ
「自由に、しかし孤独に」
ドナウ河畔の旅人
『ドイツ・レクィエム』
孤独に、しかし自由に
オーストリアの夏
『交響曲第4番ホ短調』
「おお世よ、われ汝より去らざるをえず」
『新しい道』
ブラームスのピアノ曲―内心の声(松浦豊明)
私にとってのブラームス(白井光子)
モスクワの思い出(安田謙一郎)
ブラームス雑感(若杉弘)
年齢と作品理解(K・ライスター)
ブラームスとヴィオラ(U・コッホ)
私の個人的な場合(佐藤征一郎)
ブラームスの言葉は和音の中に(堀米ゆず子)
西洋音楽の発展とは(石井真木)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Taka
58
19世紀ドイツの作曲家の自伝。早いうちから天才ぶりを発揮して生涯活躍し続けた偉大な人物ぶりがよくわかった。最後に年表が付いていたのでちょっと我が国と見比べたら、その頃日本は江戸末期、ブラームスと同い年には長州の桂小五郎、龍馬を暗殺したという見廻組の佐々木只三郎などがおり、クラッシックとちょんまげが結びつくわけもなくとてもとても不思議な感覚になった笑2018/10/25
カタコッタ
11
音楽好きでブラームスを好んで聴いている。著者は序章でブラームスの生涯と芸術を『秋のソナタ』と書いている。読み進むと的を得ていることがよくわかる。この本はブラームスの研究書ほどではないが、ブラームスファンのために書かれているようである。写真、絵画も多く掲載され、華麗な文章でブラームスのイメージをかきたててくれている。文庫といえどなかなかいい本に出会えたことに喜んでいる。ますますブラームスの人柄と音楽が好きになれた1冊である。2015/12/01
まっきー☆
6
最近ブラームスにどっぷりハマっているため、さらに彼のことを知りたい!と思い購入。 怒涛のドラマの中から、あの曲達が出来上がったのかと思うと、聞き流しで聞くなんてことができない気がして来た。 全曲聴きたいな。。。 2017/11/10
まふ
5
カラー版作曲家の生涯シリーズ。久しぶりに読んだ。ブラームスの生涯がよく分かった。2007/08/01
PG
5
お友達とブラームスの旋律を聴きながら。彼はブラームスに似ている。2018/08/27