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新潮文庫
古代史捏造

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  • サイズ 文庫判/ページ数 219p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101468242
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0121

内容説明

「すべてのことを話したい…」。そう口火を切った「F」は次々と捏造を告白。検証作業の結果、関与した大部分の遺跡での捏造が断定された。その数、百六十二遺跡。なぜこんなことがまかり通ったのか。相互批判を封じ込める閉鎖性、馴れ合い。自然現象を遺跡と誤認し、偽造石器を「奇跡」と評価して、虚偽の歴史を作り上げた日本考古学の罪を問う。

目次

第1章 捏造拡大(第二のスクープ;四二遺跡告白)
第2章 進む検証(各地の検証;日本考古学協会特別委員会報告 ほか)
第3章 考古学の再生に向けて(変わる発掘;前・中期旧石器時代は存在するのか ほか)
第4章 前・中期の全遺跡が無効に(高森遺跡でも捏造認定;旧石器学会設立へ ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

51
「発掘捏造」の後日談をまとめたルポ。偽装石器を埋め込む瞬間をスクープする前書から、その後の考古学界の検証結果など行政の動きなどを淡々とまとめてある。。前書だけでこの本は読むまでないかも。日本独特の「空気」が疑問を封印していたのがよく分かる。そんな昔のことではないのが寒々しく虚しい。2017/03/22

James Hayashi

23
遺跡等それほど興味はなかったが、このスクープを聞いた時、社会が震撼しているのを感じ取ったほどのビッグニュース。この事件を追うなら他の作品を勧める。雰囲気は伝わってくるが、いつからどのような理由で、いくつの遺跡で捏造が行われたのかすべて類推。まあ本人の自白をもとに考古学協会が調査をまとめたようだが、20年以上に渡り不正が行われていたり、本人が精神病院に入院など真相が見えてこない。トロイのシューリーマンといい、F氏といい再発防止に一考が必要と思われる。2016/08/02

わたなべよしお

16
 前作「発掘捏造」の続編。日本の前期旧石器時代に関する捏造の全体像がわかるようになっている。調査報道や取材の過程などを生々しく味わうには前作の方がいいかな。発掘捏造事件の全体を知るには、まぁ読んだ方がよいだろう。2021/08/26

寝落ち6段

13
戦後、皇国史観から脱却するために、天皇がいなかった時代を調べることで発展した日本の考古学。しかし、いつしか旧石器時代前期が日本にもある「かもしれない」が「べきだ」に変わっていった。新発見は学会を興奮させ、集団陶酔ともいうべき熱狂にさせる。功名心にかられた一研究者が石器の捏造に手を出したとき、盲目的に喜んだ学会全体の罪。捏造という指摘も大勢で封殺した罪。学閥によって凝り固まった意識でやっていた罪。様々な問題点が明らかになった。これは日本考古学だけに言えることではない。人は理想に目が眩みやすい。2024/02/18

Masakiya

6
人類進化には興味があるので、ラミダスだとかフローレンシスだとかはチェックしてたのだが、日本の旧石器時代についてはノーマークだった。 遺跡、石器の捏造というニュースはリアルタイムで聞いてはいたのだが、50万年前(!)の石器として偽っていたのだとは知らんかった。これははじめからオーパーツを疑う領域だろ。そういえば高校の時、地学の教科書と日本史の教科書の地質年代、旧跡石器時代の記述が一致していなかったような記憶(ex.ホモ・エレクトスをまだピテカントロプスとしてたような・・・。)があるのだが 、この本を読むと日2015/12/05

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