新潮文庫
深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール

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  • サイズ 文庫判/ページ数 223p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101235066
  • NDC分類 290.9
  • Cコード C0126

内容説明

香港・マカオに別れを告げ、バンコクへと飛んだものの、どこをどう歩いても、バンコクの街も人々も、なぜか自分の中に響いてこない。〈私〉は香港で感じた熱気の再現を期待しながら、鉄道でマレー半島を南下し、一路シンガポールへと向かった。途中、ペナンで娼婦の館に滞在し、女たちの屈託のない陽気さに巻き込まれたり、シンガポールの街をぶらつくうちに、〈私〉はやっと気がついた。

目次

第4章 メナムから―マレー半島1
第5章 娼婦たちと野郎ども―マレー半島2
第6章 海の向こうに―シンガポール
対談 死に場所を見つける(高倉健・沢木耕太郎)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

499
マレー半島・シンガポールへ南下。バンコクへ行っても、シンガポールへ行っても、ついつい惚れ込んだ香港と比較して「ちょっと違う」と肩を落とす筆者。街中で仲良くなった子どもたちとの触れ合いや、親切に道案内してくれた現地の人とのエピソードにこちらまで気持ちがあたたかくなる。時代が違うとはいえ、アジア旅に今も残る空気感。旅慣れたバックパッカーたちの、現地民に食事を奢らせたり親切にされるのは当たり前的な、驕った態度が鼻についていたわたしには、その辺をちゃんとわきまえている沢木さん、やはり頭のいい人だなぁと思う。2020/11/15

ヴェネツィア

413
第1便の後半。バンコクからマレー鉄道で南下してシンガポールまで。旅の最初の圧倒的な興奮がやや冷めてきた感じか。ホテルはリゾートのソンクラーを除いては、相変わらず娼館のようなところばかりだ。揚句にペナンでは、娼婦やヒモの男たちと仲良く青春を謳歌する。沢木のこうした旅のスタイルからすれば、シンガポールはたしかにどう見ても異質だ。彼がそこで直感したようにカルカッタこそがふさわしいと思われる。もっとも、ガイドブックも予備知識も一切なしの旅であったから、実際に行ってみないことには何もわからないのだが。一気に2便に。2013/01/29

やすらぎ 🍀安寧祈願🍀

325
香港に惚れてしまった男、沢木耕太郎。その土地の人も食事も風土も常に新鮮ではあるが、タイでもマレーシアでもシンガポールでも、愛した土地を思い出す。何を追い求めていたか分からなくなった私でも、夕陽は見たかった。ここマラッカ海峡に沈む夕陽はとてつもなく大きく赤く美しいと聞いていた。海辺へ全力で走ったが沈むスピードはさらに速い。水平線との勝負だ!…ふと、旅の途中で初心に返る。なぜ私はここにいるのか。何かに属することで固定されてしまう恐怖、宙ぶらりんでいたかった。初恋の国を忘れることができるのか。第三巻に旅は続く。2021/04/26

ehirano1

300
期待通りの止まらない面白さ。文明の利器から離れることを不自由とは感じないこと、すなわち「またひとつ自由になった」気がしたという記述がとても印象に残りました。本書はもはや旅行記の形態をとった文学かもしれないと思いました。いやいや、ひょっとしたら旅行記から文学が生まれるのかもしれません。2023/05/02

zero1

290
バンコクに到着した沢木。女性の斡旋が連続し、閉口する。香港の幻影を求めていたため、素直に感動できない。旅では最初の印象がとても大切。鉄路で南下しマレーシアへ。ペナンでは売春宿に泊まる。首都クアラルンプール、そしてシンガポールに。私も経験があるけど、日本は島なので陸路の国境を珍しがる。そして国際特急が好き。次は本来のスタート地点インド。巻末に沢木と高倉健が対談。ハワイの解放感や俳優としての不器用さについて語っている。これだけでも読む価値あり。2018/12/27

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