内容説明
〈情念渦巻く人間模様〉の中、〈鮮やかなトリック〉による、〈ぞっとする怪奇な事件〉が起こる時、「昭和ミステリー」の迷宮の扉が開いた…。佐藤春夫、谷崎潤一郎、甲賀三郎、城昌幸、渡辺温、水谷準、夢野久作、江戸川乱歩、浜尾四郎、小栗虫太郎、渡辺啓助、角田喜久雄、久生十蘭、横溝正史、山田風太郎、大坪砂男、高木彬光ら、昭和ミステリーの全貌を鳥瞰する名篇アンソロジー第1弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みも
69
隙間時間を利用しつつ、コツコツと地道に読了しました。17作家。大正9年から昭和24年までの作品。いわゆる日本に於けるミステリーの黎明期。探偵小説とか本格推理小説と言われるものが多いが、その中にあって異彩を放つのが夢野久作『死後の恋』と江戸川乱歩『押絵と旅する男』であろうか。意外に目を引くのが谷崎潤一郎『途上』谷崎は耽美作品の印象が強いのだが、推理小説もいくつか書いているらしい。甲賀三郎『琥珀のパイプ』、角田喜久雄『怪奇を抱く壁』、久生十蘭『ハムレット』や山田風太郎『眼中の悪魔』もなかなか面白い作品である。2019/02/28
小物M2
1
△佐藤春夫「指紋」○谷崎潤一郎「途上」○甲賀三郎「琥珀のパイプ」○城昌幸「怪奇の創造」◎渡辺温「嘘」○水谷準「お・それ・みお」○夢野久作「死後の恋」○江戸川乱歩「押絵と旅する男」○浜尾四郎「殺された天一坊」○小栗虫太郎「聖アレキセイ寺院の惨劇」○渡辺啓助「聖悪魔」○角田喜久雄「怪奇を抱く壁」◎久生十蘭「ハムレット」○横溝正史「探偵小説」◎山田風太郎「眼中の悪魔」○大坪砂男「天狗」○高木彬光「妖婦の宿」2025/07/13
ぽるる
1
ブクオ
はちくま
1
佐藤春夫や谷崎潤一郎から始まって、高木彬光まで。どれも代表作なので、他のアンソロジーで読んだ作品も。個人的には、横溝正史の「探偵小説」はさすがにこなれているし、久生十蘭「ハムレット」は精緻で端正だなあと。なんだか懐かしくなったので、買ってある渡辺温や大坪砂男も読もうかな。2014/10/07
紅藍
0
「指紋」や「妖婦の宿」など、有名だがなかなか読む機会のなかった作品が読めてよかった。個人的に好きなのは「ハムレット」だなあ。2016/11/16