妖怪学新考―妖怪からみる日本人の心―

妖怪学新考―妖怪からみる日本人の心―

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784096261828
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C0039

出版社内容情報

科学文明がこれほど浸透した現代、人々は妖怪の存在を否定しつつ心のどこかでそれを認めている。心の不安や恐れから人間が創り出した妖怪と、それを信じる心を考察。あわせて日本人の心のあり方を探求する。

●目次 はじめに 新しい妖怪学のために 妖怪学とはなにか/妖怪学の三つの潮流/柳田国男の妖怪学/柳田以降の妖怪学 第一部  妖怪と日本人 一 妖怪とはなにか 恐怖・空間・妖怪/不思議・災厄・妖怪/妖怪を定義する/妖怪と社会関係/自然の妖怪と人間の妖怪/妖怪の予防と駆除/「生活社会」の三類型と妖怪 二 妖怪のいるランドスケープ 日本人の「ふるさと」としての小宇宙盆地/ムラのコスモロジー、マチのコスモロジー/水木しげる少年の妖怪体験/奥能登・七浦の妖怪たち 三 遠野盆地宇宙の妖怪たち 遠野のムラの妖怪たち/遠野のマチの妖怪たち 四 妖怪と都市のコスモロジー 前近代の都市の妖怪たち/平安京の恐怖空間/江戸の怪異空間 五 変貌する都市のコスモロジー 「闇」の喪失/妖怪の近代 六 妖怪と現代人 妖怪の存立と前提条件/現代都市の「闇」/現代の怪談と妖怪??「学校の怪談」/現代の怪談と妖怪??「化物屋敷」/現代の妖怪の特徴と現代人の不安 第二部 魔と妖怪 一 祭祀される妖怪、退治される神霊 「神」と「妖怪」の相違/祀り上げられる「妖怪」/棄てられた「神」/退治される「妖怪」 二 「妖怪」の民俗的起源論 どのようにして妖怪は生じ

内容説明

妖怪はなぜ存在しつづけるのだろうか。古い妖怪は滅んでも、新たな現代の妖怪は生まれている。「闇」を失った都会でうごめく妖怪はどのようなものなのか。人間がいるかぎり妖怪は生きつづける。

目次

はじめに 新しい妖怪学のために
第1部 妖怪と日本人
第2部 魔と妖怪

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かりこ

4
かつて妖怪というといかがわしいイメージであったが、それを研究することに意義を見いだし新しい妖怪学の形を提唱する一冊。妖怪が生まれる空間、妖怪を生み出す人間の心などに焦点があたっている。古代から現代まで妖怪は存在し、そしてこれからも人間がいる限り妖怪は存在していくであろうとの筆者の言葉にどこか安心を覚えたのは私の中にも不思議を求める心があるからだろう。2013/04/12

マッピー

3
真面目に妖怪学の本。著者は妖怪を、「神」観念の否定的な「半円」と考える。同じものであっても、祀られれば「神」。人に害をなし、祀られることがなければそれは「妖怪」。これは、日本の宗教観の問題でもある。本来妖怪が現れる場所というのは、境界上である。異界との境界。闇との境界。人の心の闇と、物理的な場所の闇。時折境界上に姿を見ることがあったのだ。そう。人は妖怪の存在を必要としているのだ。何か割り切れない思いを妖怪に託したいと思っている。妖怪学とはすなわち、人間の心の研究であり、人間の社会の研究であるのだ。2015/07/26

Tatsuya

2
古代から中世・近代・現代に渡って、我々日本人の文化や思想を背景に、どのようにして「妖怪」が生まれてきたのか。また、時代に合わせて、あるジャンルの「妖怪」は廃れ、別のジャンルの「妖怪」が主流になっていく等、非常に興味深い考察。特に、昔の「妖怪」の成立を把握した上で、現代の怪談がどのように成立しているのかを考えるととても面白いと思った。2010/09/07

ヨシツネ

1
名著 祭り上げ祭り捨てるという内容はやはり面白い2018/05/29

ぽっぽママ

1
現代には現代の妖怪が生み出されるということで、今の妖怪ウォッチのブームはどう分析されるのか読んでみたい。2014/08/31

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