出版社内容情報
憲兵隊史料を解読、謎の思想弾圧事件を解明
「満鉄調査部事件」は、1942年から43年にかけて満鉄調査部員ら44名が検挙された事件で、「ゾルゲ事件」「企画院事件」とならぶ戦中の三大弾圧事件の1つである。中国に残されていた新発見史料により、これまで闇に包まれていたこの事件の真相を解明する。この史料は、関東憲兵隊が1945年8月、敗走に際して地中に埋めた機密文書で、満鉄調査部事件の被疑者の獄中手記や憲兵隊の意見書などであった。本書では、リアルタイムの貴重な肉声として興味深く読めるもの被疑者の声を中心に、2000枚近い史料の核心部分を紹介し、この事件の真相と背景を解き明かすとともに、戦前・戦中の「左翼」の思想と行動、「転向」の問題についても考察する。
内容説明
憲兵隊資料が語る衝撃の新事実。ゾルゲ事件に連続する知られざる弾圧事件の全貌が、今、明かされる。発掘された憲兵隊の極秘文書約1800ページを解読。
目次
第1章 関東憲兵隊「新史料」の発見
第2章 「満鉄調査部事件」とは何か
第3章 満鉄調査部の活動と「経調派」の形成
第4章 満鉄調査部と国策の立案
第5章 関東軍と憲兵隊
第6章 合作社事件から満鉄調査部事件へ
第7章 満鉄調査部事件とは何だったのか
著者等紹介
小林英夫[コバヤシヒデオ]
1943年、東京生まれ。東京都立大学法経学部卒業、同大学院博士課程単位取得退学。現在、早稲田大学アジア太平洋研究センター教授。専攻は、日本近現代経済史、アジア経済論、植民地経済史
福井紳一[フクイシンイチ]
1956年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、明治大学大学院文学研究科博士前期課程修了。現在、敬愛大学・日本獣医畜産大学・駿台予備学校講師。専攻は、日本近現代思想史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。