集英社文庫<br> 愛と髑髏と

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集英社文庫
愛と髑髏と

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  • サイズ 文庫判/ページ数 230p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784087497618
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「庭は、寝がえりをうって、背をむけた。…庭にまで馬鹿にされるのは、いい気分ではない」(「風」)。日常と非日常が交錯する摩訶不思議な世界。燦然ときらめく光彩は、血を浴び、呪いを込め、人を魅了する…。妖しく、強烈な輝きを放つ8篇を収録の幻想小説集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

びっぐすとん

16
最近の著者の作品が歴史と耽美を味わえるものだとするなら、この時期の作品は日常の裏に張り付いた異常を味わう感じだろうか。徐々に体を蝕む毒。苦しさを感じる前に朦朧と意識を手放し、気づいたら裏側の世界に入り込んでしまっている感じだ。「猫の夜」「人それぞれに噴火獣」「丘の上の宴会」が良かった。服部まゆみさんの解説も良い。2019/10/12

翔(かける)

11
ずっと読みたいと思っていた作家さんは、お気に入りさんに教えていただいたこの作品からスタートです。八篇の短編集。最初の『風』や『猫の夜』はおそるおそる読み進めていましたが、四つめの『人それぞれに噴火獣』からのめりこんでしまい、最後まで失速することなく世界観を楽しみました。人間の弱さや残酷さを、耽美な文章で描きあげた幻想小説です。解説の服部まゆみさんが、本編に負けない筆力で華をそえます。これが作家か…!まいりました。2016/05/26

ミーナ

11
諦念と執着の8編の短編。再読2編(2話目、6話目)。前半と後半で傾向が異なる。前半は童話的要素が強く、後半は女の生々しさが色濃い。私の好みは断然、前半。現代のグリム童話さながらの1話目「風」から強烈に引き込まれる。3話目の「猫の夜」は異色! 安部公房の短編集に似た物を感じる。4話目「人それぞれに噴火獣」はガラスの破片で心をこすられているような痛みを感じる怖さ。さらにトリッキーで一番好み。4,3,1,2,6話の順に好き。皆川さん作品の中でも分かりやすいものが集められているため、皆川さん初心者の方にお勧め。2015/07/01

rinakko

9
再読。素晴らしい。毒が巡って刺しとめられる。少女たちの骸に寄り添って、少しずつ自分をわけ残していく心地になる。「風」の“わたし”のように。とりわけ今回は、「風」から「悦楽園」「猫の夜」「人それぞれに噴火獣」「舟唄」の流れに痺れた。そして解説が服部まゆみさん。2017/09/21

秋良

7
既読の短編が多いので「人それぞれに噴火獣」「復讐」「暁神」のみ読んだ。醒めない夢の中にいるような、浅い眠りの中にたゆたっているような、気だるい感じが楽しめる。2017/08/05

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