内容説明
年金暮らしの老女が芸能人の“おっかけ”にハマり、乏しい財産を使い果たしていく「おつかけバアさん」、“タヌキには超能力がある、UFOの正体は文福茶釜である”という説に命を賭ける男の「超たぬき理論」、周りの人間たちが人間以外の動物に見えてしまう中学生の悲劇「動物家族」…etc.ちょっとブラックで、怖くて、なんともおかしい人間たち!多彩な味つけの傑作短篇集。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
520
タイトルに偽りなし。まさに「快笑」ならぬ「怪笑」というべきブラックなユーモアが詰まった短編集だ。ここに収められている短編の登場人物はいわゆる「あなたに似た人」。我々の平凡な日常や世間にどこにでもいる、もしくはいそうなちょっと変わった滑稽な人々のお話だ。個人的なベストはブラックユーモア色が一番濃い「しかばね台分譲住宅」で、次点で「鬱積電車」か。着想の妙では「逆転同窓会」が実際にありそうでリアルに感じた。しかし東野氏はユーモアを書かせても上手いなぁ。というよりも関西人の彼の本領は実はここにあるのではないか?2011/09/29
Kircheis
394
★★★☆☆ 東野圭吾のブラックユーモア溢れる短編集。 9つの話が収められているがハズレがない!すごいな~(〃ω〃) 特に好きなのはタランティーノ風味の作品『しかばね台分譲住宅』(*´ω`*)2019/03/08
再び読書
299
鬱積電車が面白かった、意外と満員電車ではこのような事があるのです。また最後の全話の誕生秘話もあり、面白おかしく読めた。しかしながら、この程度の話では、東野氏では無くても書けそうな気がする。2012/11/01
どんちん
283
とても笑えたというか、読んでいて、相当ニヤけた。その一方で、まったく笑えない話もあった。ある意味、笑って、泣ける一冊かな。 2012/07/15
hiro
282
○笑小説シリーズ第一弾。私自身このシリーズ3作目。ブラックユーモアあふれるこのシリーズは、気分転換に読むのにもってこいだ。単行本が出たのが1995年なので、いきなり‘ポケベル’がでてきてびっくりするが、『鬱積電車』の車内風景は20年経ってもあまり変わらないと、変に感心したりした。『おっかけバアさん』『あるジーサンに線香を』が特に面白かった。『あるジーサンに線香を』は配信ドラマの予告編を観ていたので、ジーサンは笹野高史さんのイメージで読んだが、どんなドラマ化になっているか観てみたい。残る毒笑小説も購入済み。2012/10/06