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集英社新書
全地球凍結

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  • サイズ 新書判/ページ数 203p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087202090
  • NDC分類 450
  • Cコード C0244

内容説明

地球は四六億年前に誕生した。だが、最初の四〇億年はまだ闇に包まれている。近年、約七億年前の氷河堆積物にまつわる多くの謎が浮き彫りにされてきた。その謎解きから急浮上したのが「当時、赤道付近まで雪と氷に覆われる大寒冷期が地球を襲った」という仮説だった。そしてその極寒期の後には多細胞生物の爆発的繁栄期が訪れる―。本書は、地球科学の最前線に立ち自らも地球史の痕跡を求めて世界各地を調査する著者が「全球凍結仮説」をリポートするものである。この仮説の提示する地球観は、気候システムの研究を活性化させ、さらには生物と地球の離れ難い関係に及んでいく。

目次

第1章 「全球凍結仮説」の登場
第2章 キャップ・カーボネート
第3章 対立する仮説
第4章 反論からの検証
第5章 気候変動論からみた「全球凍結仮説」
第6章 生物科学と「全球凍結仮説」

著者等紹介

川上紳一[カワカミシンイチ]
1956年生まれ。岐阜大学教育学部助教授。名古屋大学理学部卒業、同大学大学院理学研究科地球科学専攻修了。地層の縞から過去の環境変動を読み取り、地球の歴史を解明するという研究活動のかたわら、高校教科書の執筆や小中学生にむけた天体観測イベントの講師をつとめるなどの活動にも取り組んでいる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

10
2003年著。著者の専門は地球史。氷河堆積物が世界中に見られるという事実を説明するための仮説として「全球凍結仮説」が1992年にカーシュビング博士によって提示された。その後、あまりに大胆なこの仮説がホフマン博士によって継承され、異論反論含めて熱心な議論や研究が巻き起こった。そうした内容。しかも四、五度も起こったと言われ、約六億年前に最後の凍結が起こり、その後に多細胞生物が一挙に増加する、いわゆるカンブリア紀になる。→続く2022/05/11

寝落ち6段

6
地球にはどのような歴史があったのだろうか。本書では「地球は凍結していた」という仮説がどのように展開され、その反論や現在の状況をまとめている。本書を読んだ限りの個人的な感想としては、広範囲で凍結していたことは間違いなさそうだが、地球全体が凍結していたかどうかはわからないというところだ。この凍結説から生命の誕生、絶滅と繁殖などいろいろなものに飛び火するところが大変興味深い。炭素がどう動いたかに着目するだけで科学は面白い。2015/05/07

ちぃ

5
2003年初版。2023/09/18

文章で飯を食う

4
NHK特集で見てびっくり。「海はどうしてできたのか」を読んで、おもしろし。そのものズバリの「全地球凍結」を探して、大喜び。しかし、わかってないことだらけ、しかも、反対論にもきちんとスペースをさいていて、筆者がこの謎解きをおもしろがっているところが伝わってくる。しかし、生きている間に教科書が書きかわるような、スピードの速い時代と言うことか?それとも、元々、大して分かっていなかったのか。2013/03/23

貝澤  カイザー

3
従来の常識では、どんな寒い氷河期でも地球が完全に氷に覆われた事はなかったとされていた。しかし、かつて赤道直下に存在したと思われる氷河堆積物が発見されたことにより、にわかに「全球凍結仮説」が脚光を浴びるようになる……。 まだ定説とまでは言えない若い仮説である事に加え、全球凍結仮説を支持しつつも決して正しいと断言しない著者の筆致は、「読み物」を求める方には少し物足りないかも知れません。 しかし、抑制の効いた文章の奥には、刺激的な仮説を検証し続ける著者の隠しきれない興奮が透けて見えるような気がします。2011/06/26

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