出版社内容情報
テレビのワイドショー制作会社に入社した駒野しおりは、ADとして忙しい日々を送っていた。だが、コロナ報道に対する番組の姿勢や、私利私欲に走るプロデューサーたちの姿に、違和感を覚え始める。そしてしおりが2時間の生放送で曝した恐るべき「真実」とは……。元芸人の作家が2年余のコロナ禍を事実に即して描く、前代未聞の書下ろしメディア小説!
内容説明
ワイドショーの制作会社に入社した駒野しおりは、ADとして忙しい日々を送っていた。だが、新型コロナウイルス報道に対する姿勢や、私利私欲に走るプロデューサーらに反発し、ある秘策を生放送で講じる。そこで曝された真実とは!?二年余に及ぶコロナ禍を、テレビ制作側から描く、書下ろしメディア小説。
著者等紹介
松野大介[マツノダイスケ]
1964年神奈川県出身。’85年にABブラザーズとして「ライオンのいただきます」(フジテレビ)にてタレントデビュー。’95年「文學界」新人賞候補になり、同年に小説誌「野性時代」にて作家デビュー。’98年に芸人小説の先がけ『芸人失格』が話題に。著書多数。現在、沖縄在往で作家活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rosetta
27
テレビとは視聴者の正しい理解を助ける情報を提供するものではなくて煽り炎上させスポンサーに気に入られることだけを目指すものであることは真っ当な判断力のある人なら誰もが知っている筈だと思う。「テレビを観る層のリテラシーは異様に低い」(p86)と登場人物が語るように「田舎のジジババ」は丸ごと信じてしまうのだろう。この2年以上のコロナ報道はコロナ騒ぎが終わって欲しくないと言う願いだけで続けられてきたとしか思いない。映像も場面も切り取り方でどうとでも見えるものをひたすらコロナを怖がらせる為だけに使ってきた。2022/07/31
カノープス
1
初読み作家。物語によるコロナ報道振り返り。歴史に残るような作品ではない。10年というスパンも必要無い、もはや年内には全く書店から消えるような本かもしれない。しかし、このカリカチュアライズされた既視感あるテレビコメンテーターや歪んだ業界の体質はテレビ報道のある一面の真実を確実に捉えていると思う。50年後の未来に今回のコロナ報道の【本当】を残す困難。それを思うと吹けば飛ぶようなこの作品が、実は意外に重要だと気づくのだ。しおりと祖父のやりとりは、本作に深みを与えた。2023/07/02
みやび
1
☆32022/08/23